米ドル偽造団「黒のダイヤモンド」のメンバー10名が逮捕
2007年09月19日付 Jam-e Jam 紙


 米ドルや旅行者用小切手、公文書などを大規模に偽造していた「黒のダイヤモンド」という名の偽造団の一味らが、国軍の情報保全捜査官らの尽力により、検挙された。

 今年のティール月〔西暦6~7月〕の某日、ある偽造ネットワークに関する情報が、先述の捜査官らのもとに寄せられた。この情報を受け、内偵調査が進められた。偽造に軍関係者数名が関わっている可能性もあることから、〔一般の刑事検察庁ではなく〕軍事検察庁第一支部の予審判事が同偽造団一味の捜査・逮捕を命ずる司法命令を発した。

偽造団一味の身元が判明

 捜査が始まると、国軍情報保全捜査官らは、偽造団一味が高度な機材を使用して大規模にドルの偽造を行ない、社会の経済構造に取り返しの付かないほどの損害を与えていることを悟った。

 この偽造団一味に関する情報収集の結果、捜査官らはまず、偽造で前科のある、ジャヴァード・Aという名の人物(黒いダイヤモンドとして有名)を割り出した。更にこの人物は、友人であるゴラームレザー・Vとアスガル・F2名と共謀して、ある取引を行なう計画を立てていたことを突き止めた。

 必要な情報を入手し、取引場所を突き止めた上で、トルキー予審判事は司法命令を発した。それを受け、捜査官らは電撃作戦により容疑者らを逮捕、検査の結果、彼らから偽ドル札12万ドル相当〔約1368万円〕を押収した。

アジトの捜索

 容疑者逮捕に続いて行われた捜索の結果、テヘラン東部にある容疑者らのアジトから、偽米ドル紙幣や20万トマーン〔約2万4千円〕相当の価値を持つ偽旅行者用小切手、所有権を証明する証書類、大学や高校の卒業証書、自動車免許証、様々な機関の印判、革命防衛隊やバスィージ〔民兵組織〕の辞令、傷痍軍人特待カード、傷痍軍人専用の交通許可のステッカーなどが大量に押収された。

偽造団のメンバー7名が逮捕

 3人の容疑者の逮捕を受け、取調べが始まった。その結果、彼らはフーゼスターンやギーラーンにいる他の7人の仲間とともに、偽ドル紙幣や偽旅行者用小切手を大規模に流通させていたことが判明した。

 容疑者らの自供を受け、国軍情報保全捜査官らは一斉捜査により、この7人のメンバーをフーゼスターンとギーラーンで逮捕し、偽米ドル紙幣と偽旅行者用小切手を押収した。

プロの偽造者集団

 軍事検察庁第一支部予審判事は昨日、この偽造団一味らの犯罪行為に関して、本紙記者に次のように語った。「偽造団の一味はプロの偽造者集団で、彼らの偽造方法は、偽米ドル紙幣や偽旅行者用小切手を鑑定することが容易には不可能なほど〔精巧なもの〕だった」。

 更にトルキー予審判事はこう加える。「現在、市場に流通されようとしていた40万ドル〔約4560万円〕相当の偽米ドルと、大量の旅行者用小切手が、この一味から発見されており、また印刷中に捜査官らによって押収されたものもあった」。

 予審判事はまた詳細について、「この偽造団のメンバーの一人は印刷所を経営しており、彼らはこれまでに330枚の旅行者用小切手6億6000万リヤール〔約810万円〕相当、50万ディルハム〔アラブ首長国連邦の通貨。約1550万円〕、そして2ユーロ貨幣などを偽造・販売したと自供している」と述べた。

 トルキー予審判事はさらに、「追加調査により、軍関係者はこの事件に関わっていないことが判明した。従って、本件は〔軍事検察庁が〕扱うべき事件ではないと判断しており、早期にテヘラン一般検察庁に送られることになるだろう」と語った。

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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:12010 )