アルメニア人虐殺関連法案問題でエルドアン首相、ブッシュ大統領に圧力
2007年10月06日付 Milliyet 紙

エルドアン首相は、アメリカ下院におけるアルメニア人虐殺の主張に関する法案を阻止するため、ブッシュ大統領、イスラエル大統領のペレス両氏と電話で会談した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は昨日(10月5日)、アメリカ大統領ジョージ・ブッシュ氏、イスラエル大統領シモン・ペレス氏、そして前アメリカ大統領のビル・クリントン氏に電話をかけ、来週アメリカ下院の委員会で票決が行われるアルメニア人虐殺の問題に関する法案が通過しないよう、支持を求めた。

エルドアン首相は、会談を行ったブッシュ氏に対し、3月14日に送った手紙の内容をふまえながら、「このような法案が通過することは、トルコとアメリカの戦略的協力関係にとってマイナスです。法案はトルコとアメリカの国民の利益に反するばかりか、トルコとアルメニア間の関係改善のために払われてきた努力にも打撃を与えるのです。」と強く主張した。また「アルメニアに対し、共同の歴史委員会を設立しようという我々の提案は今でも有効です。しかしこの件に関し、アルメニアから好意的な返事は来ていません。」とこの問題に対する進展についても説明した。

■ブッシュ氏「あなた方の立場も分かります」
「あなた方の立場も分かりますし、気持ちも理解できます。」と答えたブッシュ氏はさらに、「アメリカ政府として、我々の関係にマイナスになるようなこの法案が議会で承認されないよう、断固とした態度で努力していきます」と語った。ホワイトハウスのスポークスマン、ゴードン・ジョンドロー氏は電話会談に関連して行った会見で、「ブッシュ氏は法案に反対することを再度繰り返し、議会を通過させればアメリカとトルコの関係にとってマイナスになると語った」と述べ、さらに「事件が虐殺であったか否かを決めることは、立法機関(議会)の仕事ではない。それは歴史家の議論にゆだねるべきだ」と発言した。

エルドアン首相は、アメリカのユダヤ人団体の支持を獲得する目的で、イスラエル大統領のペレス氏に電話をかけた。ペレス氏はエルドアン首相に、この件でトルコの立場への支持を継続すると語った。首相は昨日、法案を通過させないために、クリントン氏からも支持を求めた。エルドアン氏は、民主党が下院において影響力をもっているため、クリントン氏による仲介を望んだとされている。

■大使館から広告
トルコの在ワシントン大使館は、ワシントン・ポスト紙に1ページの全面広告を掲載した。この広告で大使館は、アルメニア人虐殺に関する法案が、歴史の一側面のみが解釈されるものだと主張し、アメリカ議会の議員たちに訴えかけると同時に、この歴史的事件に公平で客観的な解釈をしようとするトルコの努力に支持を求めた。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:12096 )