コロンビア大学での反大統領デモに1999年のテヘラン大学暴動の仕掛け人の陰
2007年10月07日付 Iran 紙

 テヘラン大学学生寮で起きた1378年ティール月事件〔註1〕に関与した人物の一人が、コロンビア大学で起きたイラン・イスラーム共和国大統領に対する人格攻撃〔註2〕にも関わっていたことが判明した。

 イラン国営通信(IRNA)の記者は次のように報じている。「コロンビア大学での大統領の演説を取材するために、同大学の入り口のところにいたところ、見たことのある顔をそこで見かけた。興味をそそられ、ジーンズ姿に、頭には帽子を被り、Dバッグをしょっていたその人物の顔をじっくりと見た。そうしているうちに、彼は団結強化事務所〔註3〕の中央評議会の元メンバーで、アクバル・アトリーという人物であることを思い出した。テヘラン大学学生寮事件で重要な役割を担っていた人物だ。そして今回、この人物はシオニストや偽善者たち〔註4〕と声を合わせて、イスラーム共和国体制への反対を叫び、イラン国民が自ら選んだ大統領に対する人格攻撃にいそしんでいたのである」。

 この記者はさらに、「アトリーはシオニストや偽善者たちのデモ参加者たちに混じって、コロンビア大学の前をうろつき、彼らを煽動する役割を果たしていた」とも報じている。同記者は次のように付け加えている。「彼の行動に唖然としつつ、私は彼になぜシオニストや偽善者たちと声を同じくして、自らの国民と国家に敵対的な振る舞いをするのか、訊いてみた。すると彼は図々しくも、私の質問に次のように答えたのであった。『私はイランにおける人権の確立と、獄中にいる学生たちの解放のために努力しているのだ』」。



訳註1:改革派系新聞の発行停止処分に怒った学生らが1999年7月上旬に起こした反体制デモを指す。この事件では一部の暴力分子がテヘラン大学学生寮を襲撃するなどの事件が起きた。

訳註2:アフマディーネジャード大統領が演説・質疑応答のためにコロンビア大学を訪問した際、反大統領デモが起きたことを指す。

訳註3:イランの民主化などを求める学生組織。選挙のボイコットを呼びかけるなど、急進的な傾向が強い。

訳註4:「偽善者たち」(モナーフェギーン)とはイラン・イスラーム共和国の転覆を図る反体制組織モジャーヘディーネ・ハルグ(人民聖戦士機構=MKO)を指す、イラン・イスラーム共和国側からの名称。

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参考記事(拘束された学生たちの母親、エバーディー氏を訪問)

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:12109 )