アルメニア人虐殺決議案可決で、駐米トルコ大使を本国召還
2007年10月12日付 Yeni Safak 紙

アメリカでのアルメニア人虐殺議案承認に対してアンカラの反応は厳しいものとなった。在ワシントン・トルコ大使であるナビ・シェンソイ氏にトルコへの召還を命じ、外務省もアメリカ大使に警告を発した。

 一連のトルコ側からの警告にも関わらず、アルメニアの主張を酌んだ議案がアメリカ合衆国下院外交委員会において承認され、トルコ側は激しく反発した。この承認を「無責任」と性格づけ、遺憾の意と共に非難した外務省及びトルコ政府は、この他にもアメリカのロス・ウィルソン駐在トルコ大使を呼びつけて激しく警告を行った。トルコ政府は、アメリカへの対応として、在ワシントン・トルコ大使ナビ・シェンソイ氏に本国への召還を命じた。

 最大規模の米軍基地が置かれ、イラクにおける展開部隊の兵站上の要請の大部分に対応するインジルリッキ基地の使用と共に、アメリカの兵器企業が大きな関心を示す150億ドルの防衛入札が(今後)机上にのぼることになろう。

 虐殺議案が外交委員会において承認されたことを受け、トルコ側が示す反発にためらっているアメリカ側は、不安と共にこれを見守っている。トルコ側が示すであろう最初の反応は、公正発展党エゲメン・バウシュ副党首が以前指摘した、イラクの米軍に対してトルコ経由で実施されている兵站支援を取りやめる、または制限するというものだ。だがトルコ外務省筋は今後、11月中旬に予定されている下院本会議までに、議案通過を妨げようと営為努力する予定である。

 行われた説明によると、イラクにおける米軍に対する空輸物資のうち6割がインジルリッキから輸送されているとのことだ。イラクに駐留し、アメリカを筆頭とする連合軍の使用する燃料の25%がイラクとの国境の町であるハブルを通過し輸送され、イラクでの作戦行動に参加した16隻の艦船はトルコの諸港で補給を行った。

■ インジルリッキは極めて重要

 議案の承認に向けた起こりうる対応に関する議論の中では、アメリカが使用しているアダナのインジルリッキ基地の使用停止というテーマが、最も注目を集めている。インジルリッキがアメリカに対してもつ戦略的重要性はアメリカ当局筋によってもはっきりと口にされており、米軍のイラクからの撤退に関する議論の中で、トルコはヨルダンとともに安全な撤退をする通路として言及されている。米軍がイラクから撤退する時にも、この基地を必要とすることが注目を集めている。

■ 帰国日は明確ではない

 ワシントンで新聞記者の質問に回答したナビ・シェンソイ大使は、アンカラから召還されたことを認め、週末にトルコへ向かうと明らかにした。(アメリカへの)帰還日は現段階では明確でないと話すシェンソイ大使は「この召還はアメリカへのメッセージか」という質問に対して、以下のような回答を行った。

「トルコからの訓令により、私は協議を行うべく今週末アンカラへ向かうのだ。政府はそれが妥当と判断したのである。決議案について、今後の展開に関する情報や対処を共有するため向かうのだ。」トルコにどの程度滞在するのかという質問に対しては「協議が続く限り」と答えた。

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:12134 )