北イラク越境軍事行動に関してエルドアン首相、「イラク爆撃に米国は許可をとったのか」
2007年10月13日付 Milliyet 紙

エルドアン首相はトルコの北イラクへの越境軍事行動に対し、アメリカやEUの反発が予想されることに関し、「(今まで)イラクを攻撃する際、誰も許可など取らなかったではないですか」と語った。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相はアメリカに厳しいメッセージを送った。首相は、北イラクへの越境軍事行動がとられた場合、その代償が何であれ受け止める用意があると表明し、何万キロも離れたところからイラクを攻撃するのに(アメリカのイラク攻撃を意味する)、誰も、誰からも許可を取らなかったではないかと述べた。さらに「そういった者たちに立ち上がって、北イラクに関しそしてその地になされる攻撃に関し、意見を言ってもらう必要はない。」とも語った。

エルドアン首相はマルマラ・イラーヒヤット・ワクフ・ジャーミーで行ったバイラムの礼拝後、記者達の質問に対して、越境軍事行動への決定を、閣議で再度議論する予定であると語った。首相は「もう一度国会で政府として越境軍事行動の決定を出そうとしているのに、ここで時間を無駄にすることには、我々は我慢できない」と話した。

■「大使は呼び戻されなかった」
ある記者が、駐ワシントン大使ナビ・シェンソイ氏がどれくらいで呼び戻されるのかと質問したところ、首相は「大使を『呼び戻す』ということは当面考えていない。協議のために呼ぶことはありえるが」と答えた。エルドアンは今回の越境軍事行動でアメリカやEUが示すと予想される反発に関して問われると、次のように話した。
「こうした行動をとった場合の、『収支決算』はもう考えている。我々が支払うべき代償がどのようなものであれ、覚悟はできている。そうした決定が下される前に、十分な議論が行われるはずだ。2週間で30人のテロの殉教者が出ている。これに対して我々が立ち上がったのに、最後まで(なにもせず)耐え忍ぶことはできない。もし隣国でテロの芽が育てられ、テロが語られ、そのための教育や全てのことが行われているのであれば、そしてそのことに対して隣国が何もしないのであれば、当然のことながら我々にはやるべきことがある。」

■「イラクの領土保全」
エルドアンは、公正発展党(AKP)イスタンブル支部のフェスハーネ文化センターで行われたバイラムを祝う式典での談話で、暗にアメリカを批判した。「何万キロも離れた場所からやってきて(アメリカ等のイラク攻撃を意味する)イラクを爆撃するのに、誰も、誰からも許可を取らなかったではないか。我々は今、あるいは今まで、一歩も踏み出さなかったのだから、イラクの領土保全にたいし何か企んでいたり、外科的な(手荒な)措置を考えているとでもいうのか。いろいろな憶測を排するために、このような軍事行動は踏みとどまってきた。
しかし多くの人は次のように言っている。イラクの領土保全に対し、(それを脅かすような)軍事攻撃を行うことに我々トルコは我慢などしないと。政治的統一がなされている状況にたいし、またイラクの領土保全に対し、(それらを脅かすような)いかなる軍事行動であれ、そうした行動をとるということになると、我々トルコは冷静ではいられないと。しかし「イラクという大地の下にある、そして地上にある資源は全てイラク国民のものだ」と我々は述べました。しかし我々がこうしたことを発言するとき、第三者が立ち上がって我々に北イラクに関して、あるいはここへ行われることになる軍事攻撃に関して、何か意見を述べてもらう必要はない。」

■「(問題が)デリケートであるなら、どこからであれそこから手を引いてもらいたい」
エルドアン首相は会見で、アルメニア人虐殺に関する決議がアメリカ下院を通過したことに対し、その決議は不必要であると述べ、民主党議員らはアメリカの将来に傷をつけたとコメントした。首相は反米的展開を招くことになると説明し、「この件で、ある一人の人物の態度や勝手な行動に対し、(アメリカの)全民主党議員を犠牲にするのであるなら、それは私の問題ではない、彼らの問題だ。現在のアメリカ政府はブッシュ氏も、コンドリーザ・ライス氏も出来る努力は全てやってくれた。こうした努力がもっといい形となって表れるべきだ。トルコとしては両氏にはすまない気持ちである。我々はいかなることにも恐れない。最後にこの問題がどこへ向かうのか、それを話そう。(問題が)デリケートであるなら、どこからであれ、そこから手を引いてもらいたい。」と語った。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:12142 )