イラク、トルコとの協働に前向き発言「テロ対策のためにチャンスを」
2007年10月18日付 Radikal 紙

マーリキー首相、エルドアン首相に電話「我々のテロ対策にチャンスを」
タラバーニー大統領「トルコへあらゆる協力の準備がある」

トルコが越境軍事作戦の可能性を示唆する決議案を大トルコ国民議会(TBMM)へ提出するやいなや、イラクのタルク・ハシミ副大統領はトルコを訪問。しかしアンカラで期待通りの回答は得られなかった。これに対し、イラクのヌーリー・アル=マーリキー首相はタイイプ・エルドアン首相に電話をし「我々のテロとの戦いにチャンスを与えて欲しい。必要なことがあれば共に行動しよう」と話した。ジャラール・タラバーニー大統領もまた「トルコとの協働の準備はできている」とのメッセージを伝えた。一方、イラク北部におけるクルド自治政府のスポークスマン、ジェマル・アブドゥッラー氏は事態の流れに懸念を示し、「他国の領域への攻撃は、国際法に違反する」と述べた。
この議案に関する議論の影で、一昨日アンカラを訪れたハシミ副大統領はエルドアン首相とギュル大統領に以下のようなメッセージを届けた。「あなた方の国の安全を脅かすテロの攻撃が続くにつれ、トルコにはテロリストを追跡する正当な権利が生じる。しかしまず、我々イラクにテロ活動鎮圧のチャンスが与えられるべきだ」と。ハシミ副大統領はアンカラを去る際に「面会では期待したものが得られた。全ての議題で相手と合意することができた」と話したが、その夕方に外務省が行った会見では「越境軍事作戦が行われないという合意を取り付けたという報道は、真実を伝えていない」と話した。

■マーリキー首相、犠牲者に哀悼
ハシミ副大統領がアンカラを後にする頃、マーリキー首相はエルドアン首相に電話をし「犠牲者に哀悼の意を表したい。われわれはPKK(クルド労働者党)のイラクでの活動に必ず終止符を打つ構えである。イラク北部の自治政府に対してははっきりと通達をした。われわれに今一度チャンスを与えて欲しい。必要なことがあれば何でも共に行動しよう」と話した。これに対しエルドアン首相は、トルコがこれ以上時間の浪費に耐えられないことを繰り返し訴えた。
アンカラでのやりとりの一方で、フランス訪問中のタラバーニー大統領はPKKとアンカラ両方にメッセージを送った。クルド代表者は以下のように話す「PKKが軍事活動を終了し、イラク北部から撤退することを要求した。PKKの活動により、まずイラク北部とクルドの人々が、そしてトルコの安全が脅かされている。トルコとの協働の準備は整っており、あらゆる手段をもって支援したい。北部に居住するクルド人勢力は、PKKとの戦いにおいてトルコの力となれるだろう」
一方、アンカラでのやりとりはイラク北部に不安を与えている。クルド自治政府のスポークスマン、ジェマル・アブドゥッラー氏はTBMMでの決議の後「トルコ国民がよく知っているとおり、他国領域への攻撃は国際法に違反しており、このようなことは地域の安全を壊す」と反発を示している。また今回の決議に失望したことを述べ、「軍事的手段ではなく、話し合いによる解決」を呼びかけた。クルド議会の代表的なメンバーであるマフムト・オスマン氏は「PKKメンバーはクルディスタン地域に存在しているが、自治政府は彼らがトルコを攻撃するのを阻止している」と主張した。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:12191 )