Cuneyt Ulsever コラム:首相がアメリカへ向かうとき
2007年11月01日付 Hurriyet 紙

思うにほとんど誰もが、アメリカには北イラクで具体的な政策があり、手綱を操っており、こうしたことも背景にしてアメリカは自らが望めばクルド労働者党(PKK)を止めることができると思っている。
金曜日にアンカラにやって来るアメリカのコンドレーサ・ライス国務長官は、具体的な提案を持参して来ると思われている。
トルコで人々は、心理的に、世界の超大国はほとんど全ての問題を支配しており、望むならどんな悩みに対しても特効薬となるだろうと考えている。というのも、この50年間の世界の歴史は、「アメリカが限りない力と知恵を持つ」という前提の上に築かれたからだ。
しかし実際は、こういう時代はほぼ確実に終わったのだ!!

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(2003年)3月1日決議をその当時支持し、今でも支持している人間の1人であるにもかかわらず、私は「イラク戦争」が「第3次世界大戦」であることや、それが民主主義とは関係がないこと、西側主導の世界(アメリカ、EU)は東側主導の世界(中国、ロシア、インド)に変わり得ることや、生産エネルギーの中心地であるためにアメリカが世界の原油の64パーセントを擁する中東にエネルギー資源をコントロールし歴史を止めるために入って行ったのだということを当初から言っている。

私は3月1日(決議)を支持したし、今でも支持している。というのも我が国にはこの戦争でどちらかの側に立つ以外の機会がないことや、端に居続けようとすればまさに今日のように受動的で当惑した状態に陥るだろうということを最初の日から言っているからだ。

トルコでは政治においても官僚機構においても、影響力のある人々が世界の動向を読み解くレースで次々に能力不足であることが分かったこの時代に、アメリカもイラクへの派兵とその統治において信じられない能力不足のお手本を示し、主導権の大半をライバル達にさらわれた。

今日、中東に関して判断を示した軍人-文民による分析において、ロシア、中国、イランにほとんど言及されていないことは、私をほとんど立腹させている。アメリカが北イラクやクルド労働者党(PKK)を完全に支配下に置いているという仮定でなされた分析は世界の半分しか見たことにはならないということを、問題に関連した分析を行っている人の大半は分かっていない。

■首相がアメリカに行くとどうなる?

アメリカは、PKKの中で(アメリカが)コントロールできない要素を我々に排除するよう強く求めるにもかかわらず方策がないことから、これで何度目になるか分からないが我々を思い留まらせようとし、アメリカ人アナリストのヘンリー・バーキーがズバリと説明したように、地域に「雪が降るのを」待つだろう。

冬になると、さらに6カ月問題を先延ばしにできると考えているアメリカは、今一度冬眠することに努めるだろう。そもそも、PKKもまた今は単に時間稼ぎをしているだけであり、さらに名ばかりの「停戦」さえ宣言する可能性もあるのだ。一方でアメリカは、トルコ側が完全に受動的だと見るや「攻撃は最大の防御である」と考えて、まるで雪を自分で降らすかのようにそのまま(エルドアン)首相の前に「イランカード」を置くだろう!

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個人的見解では、トルコは10月21日以来何一つ意味のあることができなかったため、ヨーロッパとアメリカの双方に対して「Aプラン」も「Bプラン」もないことを露呈させてしまった。
西欧、それにアメリカにおいて、最初の日の焦燥感はほとんど解消された。
「我々は必要なことをする!」という(エルドアン首相の)言葉が中身のない空元気であるという前提が定着した。
まず初めに骨抜きとなった「イラク隣接諸国会議(イラク安定化外相級会議)」が友達を買い物で引き合わせるかのようにイスタンブルで行われ、その後友人たちは我が国の首相をアメリカでもてなすだろう!

* * *

車を運転しているときでさえ何か思い浮かぶとアメリカにいる息子に即座に電話したり、ひどく恋しくなったときにウェブカムの技術によって顔を見ながら何分も話ができる世界で、首相よ後生だから、ブッシュにやっとこさ「代償の知れないメッセージを」伝えるだけのために、10月21日から11月5日まで16日間も何で待つことがあるというのか?

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:12367 )