アルビールで拘束されたイラン人外交官2名、釈放される
2007年11月08日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】アメリカ軍はイラクで拘束していたイラン人9人を数日中に釈放すると発表した。そのうち2名は、約10ヶ月前にアメリカ軍によって逮捕された、イラク・クルディスタン地方の都市アルビールにあるイランの代表事務所の関係者5人の一部である。

 この発表と時を合わせる形で、駐イラク・イラン大使は式典を開き、アルビールにある代表事務所の再開を祝った。今回、同事務所は正式に領事館として活動を始めた。

 BBCの報道によると、イラク駐留アメリカ軍報道官のグレゴリー・スミス海軍少将は「拘束中の9名のイラン人には、もはや重要性がなく、イラクの治安に危険をもたらさないとの結論にアメリカ軍が至ったことが、今回の釈放の理由である」と語った。

 この9名は、過去数ヶ月間にわたりイラク各地でアメリカ軍によって拘束されていた。彼らは全員、イスラーム共和国の外交官あるいは政府関係者としてイラクに滞在していたにもかかわらず、アメリカは彼らを革命防衛隊ゴドゥス部隊の将校であるとし、イラクを不安定化させる目的で、イラク人武装集団への武器や軍事訓練の提供に関与していると非難していた。イランはこの非難を強く否定している。イラク政府もまた、ことあるごとにこの逮捕に抗議し、彼らの釈放を要求している。

 アメリカ軍の報道官は、アルビールで逮捕された2名を除き、釈放予定の7名のイラン人の身元については言及していない。これらの人々の釈放の知らせは、イスタンブールで開かれたイラク周辺国会議で、イランのマヌーチェフル・モッタキー外相がイラクでのイラン政府関係者の逮捕を非難し、彼らの釈放を要求した3日後に発表された。イラク外相も、イラクで拘束中の9名のイラン人を釈放する予定であるとの火曜日のアメリカ軍の声明を評価し、「これは信頼の醸成ににつながる措置であり、イラクの治安改善のためのイラン・イラク・アメリカ間でより効果的な対話を実現することに寄与するだろう」と述べた。

 イラクのフーシュヤール・ズィーバーリー外相は、「われわれはイラクに駐留する米軍ならびに駐イラク米大使館との関係の中で、彼ら〔イラン人〕の釈放に向け多大な努力をしてきた」と述べる。イラン学生通信の報道によると、同外相はさらに次のように続けている。「われわれは、このこと〔イラン人の釈放〕がイラクの治安をめぐるイラン・イラク・アメリカ間の対話での信頼強化や、有益で重要な対話の実現に寄与するものと信じている」。

 イラク外相によると、今年の前半に立ち上げられたイラン・イラク・アメリカ三者の代表者らによる治安関係部会が、近いうちに再び会議を行う予定だという。アメリカ・イラン両政府はともに、この対話に参加する用意があると言及している。ズィーバーリー外相はまた、依然としてアメリカ軍に拘束されているイラン人の釈放に向け、イラク政府は今後も圧力を加えていく予定であると述べた。

 イラク外相はさらに、「イランはイラクにおける武装集団の抑制に協力している」とし、治安に関する新たな対話を目前に控え、イラン側の協力を肯定的な変化であると評価した。

 イラクのフーシュヤール・ズィーバーリー外相がこのような発言を行う前、イランのイラクにおける関与を語る際のアメリカ当局の口調は、目立って穏やかになっていた。アメリカはしばしば、イラク武装集団に対してロケット弾や迫撃砲弾、路肩爆弾を提供し、また彼らに軍事訓練を施しているとしてイランを非難してきた。イランはこのような非難を断固として否定しているが、他方最近アメリカ当局は、イランが武装集団に提供しているとされる爆弾の流入が減少していることに言及している。

 ズィーバーリー外相は、「イランは自らの影響力を用いて、武装集団やマフディー軍を効果的に抑制している」と述べている。さらに「治安回復の一部は、彼らの武装集団に対するコントロールのおかげだ。我々はこれを肯定的な変化であると受け止めている」と付け加えた。

 アメリカ当局はイラクでの暴力的な事件の激減を、いわゆるイランによる武装集団に対するコントロールに関連づけて示唆しているが、ズィーバーリー外相の発言は、このことをイラク公式筋が初めて表明したものである。

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( 翻訳者:渡井さぎり )
( 記事ID:12424 )