レバノン国内パレスチナキャンプで小競り合い
2007年11月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ブルジュ・アル=バラージナ・キャンプで戦闘、シャティーラー、アイン・ヘルワ緊迫

2007年11月17日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ベイルート:サアド・イリヤース(本紙)】

レバノン大統領の任期切れに関わる情勢の緊迫と平行し、突発的かつ限定的に、ブルジュ・アル=バラージナ(パレスチナ難民)キャンプ内の治安情勢が緊張した。金曜(16日)の日中、(キャンプ内)アル=クドゥス地区のアル=アームリーヤで発生した小競り合いではマシンガンと手榴弾が使用され、負傷者3名が出た。レバノン軍報道官によれば、戦闘は正午には収まり通常の状態に戻っている。治安筋は、戦闘がファタハ・メンバーと、シリアに従うアフマド・ジブリールを指導者とするPFLP-GC(パレスチナ人民解放戦線・統一司令部)メンバーの間で起きたと伝えた。

緊張状態は、ベイルート内のシャティーラー・キャンプ、及び限定的に、南部のアイン・ヘルワ・キャンプへ飛び火した。後者では、ファタハがキャンプ内から出ようとしたハマースの通行を妨げたため、争いが起きたと報告されている。

問題は、パレスチナ側が言うようにこれらが単なる派閥間の諍いなのか、あるいは、キャンプ内の治安と大統領選挙との間に、国内的、対外的利益が絡み、連動しているのか、という点である。後者については、GC書記長アフマド・ジブリールが、ブルジュ・アル=バラージナとアル=ダーヒヤ(ベイルート南郊外、ヒズブッラー本拠地)の関係をかく乱するため要員を派遣したという話や、ダマスカスがナハル・アル=バーリドの再現を狙って要員を送ったとするワリード・ジュンブラート(国会議員、ドルーズ指導者の1人)の主張などが参照される。

ファタハは、ブルジュ・アル=バラージナ内の本部がGCに攻撃され、現場に居たメンバー2名が負傷したと公表している。アッバース・ザキーPLO(レバノン)代表は、ファタハ本部に対する発砲が伝えられた際、ファタハ指導部に対し、自制し挑発に乗らないようにとの指示を組織幹部並びにメンバーに徹底するように求めた。また、ザキー代表は、キャンプ内の各派代表が会合を持ち、キャンプの内外で扇動や騒乱を企てる者に対応することにより安全強化に努めることとしたと述べた。

一方、ファタハ・レバノン事務長スルターン・アブー・アル=アイナイン少将は、ブルジュ・アル=バラージナでの事件をアル=サーイカとファタハ・メンバーの間で起きた散発的なものであり、各派の戦闘員が事態を収拾し、発砲した者はキャンプ内の治安委員会が身柄を拘留したと述べた。同少将のプレスリリースは、情報の伝達が速かったため、一部のパレスチナ派閥の間に好戦的なムードが広まったものとしている。また、パレスチナ・レバノン各派共、レバノン国内のキャンプについては治安を保つ事を望んでおり、パレスチナ人が国内の安定を脅かすようなことはないと明言している。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:12467 )