アーシュラーからの逸脱行為排除に向けた文化・芸術庁の試み ジャーメ・ジャム紙
2007年01月10日付 Jam-e Jam 紙

2007年1月10日付ジャーメ・ジャム紙

 テヘラン市文化・芸術庁は、今年のムハッラム月の最も重要な課題として、アーシュラーの行事からの迷信の排除を挙げている。

 アリー・アスギャリー長官は昨日、記者団に対しこのように述べた上で、さらに以下のように述べた。「ムハッラム月に行われる数々の行事は、市民生活における道徳の普及をその目的として、行われるものでなくてはならない。名誉の精神や偉人らの英雄的な事跡〔に対する知識〕、そして宗教的な情熱を涵養し、また異端を排除し逸脱を修正することが、同庁がテヘラン市で計画していることの最も重要な目的である」。

 同長官はさらに続けて、テヘラン市の計画では、宗教行事が広く人々が参加する形で行われるよう注意が払われていると指摘した上で、以下のように続けた。「預言者一族を哀悼する日々もまた、〔時代の変化に影響されるという社会一般の〕原則を免れてはいない。社会における文化的・社会的な環境の変化の一要素として、これらの日々も〔時代の変化を〕拒否することはできないと考えられる」。

 同長官によると、ムハッラム月について書かれた小冊子が作成され、通りやテヘラン市内を走るバスで配布される予定であるという。また、「リンゴの香り」展の開催や、朗読コンペ開催用の〔ホセインの殉教物語を描いた〕本の制作・配布、また〔殉教劇などを行う〕地域の宗教団体の広報用インターネット・サイトの活性化、そしてテヘラン大学の柵に貼り付けて行うアーシューラー写真の展示なども、同庁はモハッラム月に計画しているとのことである。

〔訳註:アーシュラー:預言者ムハンマドの孫で、第3代イマームのホセインとその一族郎党がカルバラーの地でウマイヤ朝のカリフ・ヤズィードの軍隊によって虐殺されたことを悼む、シーア派にとってもっとも重要な宗教行事。自らの体を痛めつける、殉教物語の熱狂的な朗読を行うなどの行事を行うことにより、その悲劇を追体験する。イスラーム太陰暦のムハッラム(1)月に行われ、その行事は10日(アーシューラー)にクライマックスを迎える。〕

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( 翻訳者:前川元 )
( 記事ID:4350 )