イラクで、クルド語新聞制限へ
2007年12月16日付 Radikal 紙

クルド政府は、「安全の破壊」「テロの挑発」といった罪で新聞記者を投獄し絞首刑にし、簡単に新聞を発刊停止しうる法律を出した。

北イラクのクルド地域政府は、様々な新聞記者達の頭上でデモクレスの剣のように振り回されることになる法によってメディアを締め付けている。クルド議会は「テロの挑発、安全の破壊、恐怖の拡散」というような不明瞭な罪状によって新聞記者が告発される新しい出版法を出した。この法律は、総数111人の議員がいる議会で57人の議員が参加した審議で、11人の棄権、7票の反対票に対し、39票によって承認された。この法律が施行されるためには「クルディスタン地域(政府)議長」マスード・バルザーニ氏の承認が必要とされる。

AP通信によると、法律を破った新聞記者は、反テロ法廷で最高で死刑にまで及ぶ罪状請求で審理される。新聞も6ヶ月の停止または最高8200ドルの罰金が科されうる。クルドメディア・コムは、総発行責任者になるためにはクルディスタン新聞組合のメンバーとなる条件が課された、と報じた。

スライマニーヤとアルビルではこの法律抗議するデモが行われた。また、国際組織も反対を示している。反対票を投じたクルディスタン・ユルセベル連合のスザン・シハブ氏は、スライマニーヤのデモで、「この法律は政府と失政を批判する人々、新聞記者と知識人が黙らされるという意味だ」と述べた。

週刊のクルド新聞アウェネ紙の編集者アウス・ヘルディ氏は、法律を支持するクルド政党をダブルスタンダードだとして非難し、「自由のスローガンは中身のない言葉から出来ている」と批判した。ヘルディ氏は、テロに関する記事を書く人たちに簡単に罪を負わせうると述べ、「この法は新聞記者たちを牢獄に送り、新聞を禁止し、口実によって無慈悲な罪を負わせることに道を開く」と述べた。

政府に対して筆鋒鋭い新聞記者のアソ・ジャッバル氏は、「投獄を恐れてはならない。自らの見解のために投獄されることは私にとって名誉である」といって抗議した。多くの新聞記者、知識人はバルザーニ議長に法律を否認するよう促した。

■ 「判決の濫用」

以前クルド政府の代表たちと一同に会し警告を伝えた新聞記者保護委員会は、「独立の新聞社の財政的・政治的状態が脆弱であることに注意すれば、法律の振幅のある言葉は、政府の支持者である裁判官によって政府を批判する新聞を発刊停止するために使われうる」との声明を出した。

批判に対してクルド政府は、サダム時代から残る出版法を変えなければならないと述べるにとどまった。最近バルザーニ議長が、クルドメディアにクルド労働者党(PKK)を支持する情報を発信しないよう吹き込んだということが報道された。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:12676 )