Taha Akyol コラム:PKKに対する「包括的な計画」
2007年12月17日付 Milliyet 紙

 日曜日の深夜に北イラクにおけるPKKの軍事施設に対して行われた空爆は長期にわたる政治的・技術的準備の産物である。
 米のライス国務長官はアンカラを訪問した際、PKKとの闘争におけるトルコの「包括的な計画」があることを、エルドアン首相はこれをブッシュと話し合う予定であることを述べた。「包括的な計画」とはむろん政治的な指示に従って、軍関係者、外交筋、情報機関員によって準備された。
 エルドアンは11月5日にブッシュと会談した際、この「包括的な計画」の主要な部分において同意に達した。エルドアン‐ブッシュ会談の直後、参謀副総長エルギン・サイグンと米の参謀副総長ジェームズ・カートライト及びイラクにおける責任者デイヴィット・ペトラウスが一同に会したこと、その会談がアンカラにおいて続いたこと、「メカニズム」が構築されたこと、そして情報が交換されたこと、それら一連の事柄が、今回の行動が軍による、綿密な「計画」に基づいていることを示している。
昨日の作戦行動はこの「包括的な計画」の一部であり、必要とされれば何度も包括的になされるだろう。

■何故重要なのか?
 作戦行動の重要性は幾つかの点に集約することが可能である:
・トルコはこの種の限定的な越境軍事作戦に際し、米やヨーロッパの支持を得た。この支持がなかったならば、現在、米やヨーロッパはトルコを非難している可能性がある。これはまた、PKKに無視し得ない政治的力を加えるだろう!しかし、「包括的計画」の、情報や作戦ほどに重要な側面である外交面も上手く調整するために、トルコは国際社会の支持を得ている。
・この複雑な軍事作戦の成功は以下を示している:トルコ軍は、計画及び作戦の高い能力を持っている。これは、トルコの戦争抑止力を増加させるだろう。
・PKKはもはや北イラクにおいてたやすく活動出来ないだろう。活動能力は制限された。
・PKKのテロリスト達が周囲に逃げたとしても、テロ訓練のために使用していた基地と共に、継続的に必要である避難施設や倉庫は大部分が破壊されたと見られることは非常に重要である。
・PKKと北イラクのクルド自治政府は別々の政治的流れにある。今後、両者が共闘することは以前ほど容易ではなくなるだろう。

■「山にこもって蜂起するのをやめさせること」
「包括的計画」の外交的及び軍事的側面は成功裏に進んだ。確かに、内政的側面も存在する。「山にこもって蜂起するのをやめさせること」といった用語で説明されるのが、これである。この用語の示す中身はむろん流動的である。条件に応じて決まってくるだろう。エスニックなテロに対峙している他国においても、そうである。
 何よりもまず、皆以下のことを見なければならない:1990年代、国内の南東部においてPKKが「地域の主権者」、王のようであった時代においてさえ、トルコは降参しなかった。今日もまた、トルコは軍事的のみならず国際的な規模においても、政治的観点において完全に優位に立っている。軍事的手法でトルコをある目的に強制することは、馬鹿げた、流血の夢である!
 逆に、トルコの軍事作戦や国際社会における反テロの機運はより強まるだろう!PKKには「休戦」などではなく「武装闘争放棄」以外の選択肢はない。
 刑法の「行動を伴う改悛」を定めた第221条においてより踏み込んだ改正が行われうることをアンカラ(政府)は感じている。「包括的計画」の中にこれも含まれているのは明白である。
 この軍事的、政治的そして法的現実を見て、PKKは無条件に武器を捨てるべきである。民主市民党(DTP)はテロリストのスポークスマンであることを放棄し、その方向性で政治を行うべきだ。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:関口 陽子 )
( 記事ID:12687 )