タラバー二ー大統領とバルザーニ・クルド地域政府代表が会談 トルコの越境攻撃について見解一致せず
2007年12月25日付 Yeni Safak 紙

トルコの越境攻撃の視察のために顔を合わせたジャラール・タラバーニーイラク大統領とメスト・バルザーニクルド地域政府代表が異なる見解を示した。バルザーニ氏は越境攻撃で多くの一般市民が死亡したことに触れ、爆撃を非難した。タラバーニー氏は、トルコへ通告したことにふれながら、「黙ってはいないが、宣戦布告する予定もない。」と述べた。タラバーニー氏とバルザーニ氏は、越境攻撃を非難する態度を明らかにするため、スレイマニエ市のドゥカンで会談を行った。タルク・エル・ハシミ・イラク副大統領も同じく参加し、会談後に首脳二人が出席する共同記者会見を設けた。

■トルコには権利がある
タラバーニー氏は、攻撃の前にいかなる協定がなされたかどうかについての質問に対して、協定の問題ではないことを明らかにし、トルコへ通告をしたこと、しかし事態を大きくしたくないことを明らかにした。タラバーニー氏は、「我々はトルコの自己防衛の権利は認める。トルコが敏感になっているのはよくわかっているが、自身の領土内で自身を守ることが必要だ。黙ってはいられないが、宣戦布告する予定もない。」と述べた。越境攻撃に遺憾の意を示したタラバーニー氏は、以下のように話した。

■我々をも含めた解決策を
「遺憾の理由は我々の村々や居住地が攻撃を受けたことだ。トルコとの良好な関係を望んでいる。我々は攻撃を認めてはいない。このために外交的手段で問題を解決する立場を取る。三者が関わりあうことが望ましいと思っている。この中に当然クルド人が加わるべきだとも考えていて、問題がこうした形で解決されると信じている」

■バルザーニ氏はなお非難した
バルザーニ氏はというと、越境空爆作戦に関して、「この件を認められない。この事件を厳しく非難する。一般市民が住む地区も爆撃された。多くの市民が命を落とした。この攻撃を止めるために我々は会談を続ける」と話した。ハシミ氏もまたトルコの越境攻撃を非難したと語った。エルドアン首相はトルコの対話の相手はイラク政府であると語った。タラバーニー氏の冷静な態度はこの点からも重要性を持つ。

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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:12741 )