花嫁は処女でなかったと騒いだ夫に、損害賠償請求
2008年01月13日付 Radikal 紙

女性が結婚後に処女ではなかったという理由で名誉殺人の犠牲となるトルコで、最高裁判所は規範となる判決を下した。最高裁判所は、結婚したとき妻が処女でなかったと主張し離婚訴訟を起こした夫に対し、損害賠償の支払いを命じる判決を下した。

アダナである男性が、村で一緒に生活していた妻から離婚する訴訟を起こした。アダナ第2家庭裁判所で開かれた裁判の中で男性は、妻が「処女でなかった」こと、そしてそのために離婚したいと発言していた。女性はこの主張を認めず、医者の検査をうければ自分の主張が正しいことが証明されると何度も訴えていた。夫は、妻が検査を受けることを望まなかった。この頃、彼らが住む村では妻が結婚前に性交渉をしていたという噂が広がった。このため被告女性は、「処女でなかった」と主張した夫から精神的苦痛を受けたとして損害賠償請求訴訟を起こした。

アダナ第2家庭裁判所は判決を下した。その判決では、被告とされた女性が処女でなかったという主張が証明されなかったとして、離婚請求は棄却された。同地方裁判所はさらに、女性の精神的苦痛に対する損害賠償請求にも棄却の判決を下した。

■夫は離婚できず
棄却された離婚請求は上訴されなかったため、確定した。その一方で、被告女性が起こした精神的苦痛に対する損害賠償請求に関する決定は最高裁判所に上訴された。裁判書類の上訴内容を精査した最高裁判所第2法廷は、地方裁判所が下した判決を覆した。
最高裁判所は、妻に「処女でなかった」と非難した夫に対し、損害賠償の支払いを命じる必要があると決定した。

■女性の人格
最高裁判所の判決理由には、次のような見解が明示された。「被告(夫)は、いかなる痕跡、状況証拠が無いにもかかわらず、原告(妻)が処女ではなく、そして結婚前に他の男性と性交渉があったと主張した。証人は、原告が処女でないことを被告(夫)から聞いたと証言した。これにより、女性が処女ではかったという噂が広まったことが分かった。
離婚訴訟は、被告女性が原告(夫)との結婚前から処女でなかったという主張が証明されなかったため、棄却された。離婚訴訟で一部の証人の証言によると、女性は何度も医師の検査を受けたいと言ったにも関らず、夫が医師の検査を受けさせなかったことが明らかになった。妻が処女でなかったという夫の主張は、弁護の目的を超えており、女性の人格権を傷つけている。このような状況の中で夫は、精神的苦痛に対する損害賠償を問われる必要があったのに、その請求が棄却された判断は正しくなかった」

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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:12872 )