想像もつかないようなスキャンダル ディンク殺害事件の捜査で
2008年01月17日付 Milliyet 紙

ディンク氏暗殺事件の重要参考人であるヤシン・ハヤルの兄が働いていたパン屋についての情報を集めていた警官が、実際の現場には行かずに公衆電話から情報を得ていたことが明らかになった。

アゴス新聞の編集長だったフラント・ディンク氏の暗殺事件の捜査を進める内務省の捜査官らが新たなスキャンダルを明らかにした。捜査官らによると、殺人の容疑をかけられているO.S.を扇動したとして逮捕されたヤシン・ハヤルの兄、オスマン・ハヤルがイスタンブルで働いていたパン屋について捜査を命じられた警官らが、実際の住所を訪れることなく公衆電話から情報を得ていたことが判明した。捜査官らは、公衆電話を使ったと話している警官らが作成した報告書を「不正確な情報」として採用せず、捜査資料から外した当時の情報局長アフメト・イルハン・ギュレル氏についても「職務怠慢」であると指摘している。
2006年2月17日にトラブゾン情報局からイスタンブルに送られてきた警告文書に関する進展に焦点をあてていた捜査官は、あるスキャンダルを白日の下にさらした。トラブゾンのマクドナルド爆弾事件で逮捕されたハヤルが、イスタンブルのサルガーズィのパン屋で働いている兄オスマン・ハヤルのもとへ行くという内容の文書がトラブゾン情報局からイスタンブルに送られた。担当を任された警官F.E.とY.K.のサインが入った2006年2月24日付けの「証拠記録」には、ハヤルと電話を使って連絡をとっていたオスマン・ハヤルに関して、サルガーズィの住所が捜査されたこと、電話が登録されている住所にはパン屋ではなく建設資材を販売する事務所があったことなどが説明されていた。しかし捜査官らは、この報告書とは反対に、該当住所にはパン屋が存在することや、オスマン・ハヤルが日雇いとして一時期そこで働いていたことを明らかにした。さらに、警察によって作成された報告はディンク氏暗殺の後に、それより以前に作られたもののように見せかけて作成されているとして、情報局の6人の警察官の調査を始めさせた。

■実際に行かずに電話で済ませた

捜査官らは、事前調査において担当警官の話を聞いた。問題の報告書がイスタンブル情報局に届いたあと担当を任された2人の警官は、パン屋を調査するために現場には向かわず、電話で情報を得たと話した。また電話の種類については「公衆電話」と答えた。
捜査官らは、警官らが作成した報告書は現場に関する活動が全く行われずに書かれたものであり、「公衆電話を使った」と言うことで番号が特定できない通信手段をわざと述べているという見方をしていることが明らかとなった。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:12912 )