アーシューラーの哀悼行進に8千人の警察官を派遣
2008年01月17日付 Jam-e Jam 紙
アーシューラーの行進の様子(撮影:斎藤正道、時:2003年3月、場所:テヘラン・ヴァリーアスル通り)
アーシューラーの行進の様子(撮影:斎藤正道、時:2003年3月、場所:テヘラン・ヴァリーアスル通り)

【事件部】首都テヘラン治安維持軍総司令官は、イマーム・ホセイン哀悼行事の参加者らに奉仕することを目的として、各地区の宗教行事実施団体(ヘイアト)に総勢8000名の警察官を派遣する方針だとした上で、短剣で額を突く行為(ガメ・ザニー)や楽器の使用、そして〔哀悼行進の際に担がれる〕旗竿の掲揚については、これを禁止する旨、明らかにした。

 ジャーメ・ジャム紙の報告によると、首都テヘラン治安維持軍のアフマド・レザー・ラーダーン総司令官は昨日、記者らを前に「もっとも敬愛すべき神の月の一つ、ムハッラム月に合わせ、各地区の宗教行事実施団体(ヘイアト)の責任者と数多くの話し合いを重ね、この宗教行事〔の健全な実施方法〕について確認が行われた」と語った。

 「ムハッラム月に行われる宗教・哀悼行事については、ウラマー(イスラーム学者)や宗教指導者(マルジャエ・タグリード)らが、そのあり方を示している」。ラーダーン総司令官はこう述べ、さらに次のように付け加えた。「アバー・アブドッラー閣下〔第三代イマーム・ホセインのこと〕の殉教を哀悼する日々にあって、もっとも忌むべき行為の一つに、短剣で額を突く行為(ガメ・ザニー)がある。治安警察はこのような行為が行われている場所を特定している。宗教学者も、このような行為を好ましくないと考えている」。

 旗竿の掲揚

 首都警察長官は、「旗竿の掲揚の是非について異なった見解が示されているが」との本紙記者の質問に対しては、次のように回答した。「旗竿の掲揚について、われわれは各ヘイアトの責任者らと意見を交換してきた。現在警察が懸念しているのは、タースーアー(ムハッラム月9日)とアーシューラー(同10日)〔の各地区の哀悼集会〕が終了した後に、哀悼者らが旗竿を掲揚しながら〔※訳注:原文では「携帯することなく」とあったが、誤植と判断した〕通りにくり出し、事実上交通を妨げ、渋滞を引き起こし、市民に迷惑をかけることである。このことについて、行進を実施する団体と話し合いを重ね、旗竿の掲揚は控えるよう要請してきた」。

 ラーダーン司令官はまた、昨年〔哀悼行進の際に掲げられるイマームたちの〕肖像画が回収されたことに触れ、「各ヘイアトの責任者らと意義深い協力・話し合いを行った結果、これらの忌むべき肖像画については回収を行い、今年からテヘラン市の協力を得て、〔ホセインが殉教した〕カルバラー廟に関連した図像を各ヘイアトに配ることになった。また〔同様に掲げられる〕抵抗と自己犠牲の象徴である、《強要された戦争》〔イラン・イラク戦争〕の殉教者たちの写真については、各ヘイアトで哀悼者たちが用意することになった」と述べた。

 楽器

 首都警察長官はさらに、次のように説明を行った。「哀悼行進の際に、一部のヘイアトが楽器を使用するのをこれまで見かけてきたが、哀悼行進にはまったく不適切である。これまで使用されてきたオルガンやその類の楽器を、今年は決して使用しないよう願いたい」。

 ラーダーン司令官はまた、消防庁や救命救急隊、赤新月社、イスラーム宣伝庁などと協力して、各ヘイアトと19回にわたり会議を行い、教育セミナーも9回実施したと指摘した上で、「これらの措置の結果、哀悼行進を行う各ヘイアトの交通に便宜を図り、哀悼行事に参加する市民に奉仕することを目的として、警察官8千人が派遣されることになった。彼らは、各警察署の社会課に日々報告を行うことになっている」と述べた。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12939 )