イラン国内における最新の麻薬中毒者に関する統計が発表
2008年01月22日付 Jam-e Jam 紙

【社会部】イランは様々な種類の麻薬生産の拠点と国境を接しており、そのため麻薬の阻止は極めて困難である。その一方で、薬物中毒者に関する統計はこれまで議論の的となってきた。
 
 昨日、麻薬撲滅本部が信頼を置くダーリユーシュ研究所は、麻薬の軽度使用者を除外した場合の薬物中毒者の数は楽観的に見積もって80万人、悲観的に見積もって170万人であると発表した。政府専門家はそれより前、薬物中毒者の数は最低でも400万人にのぼると発表していた。

 同研究所の所長によれば、この調査は都市部においてのみ実施されたものであり、このため、調査対象となった中毒者の93%は自身のことを都市部の出身であると称していた、とのことだ。

 また、この調査はイラン国内の中毒者の平均年齢がイラン暦1383年〔2004/5〕の調査時に比べ高くなっており、20才以下の中毒者の数も全体の5%から3%へ減少した、という結果も示した。また、20~24才の年齢集団は全体の中毒者の15%を占めており、18%であった過去の調査結果に比べ減少したという。

〔中略〕

 この発表を分析するに際し、次の点に言及しなければならないだろう。つまり、この統計が統計の調査対象者の中から得られた結果であるとしても、この問題をめぐる多くの条件が考慮されていない、ということだ。

 イランでは麻薬の使用は一つの犯罪であると認識されていることから、調査の際、インタビューを受けた対象者たちが正直に回答したかどうかは、はなはだ疑わしいと言わねばならない。薬物中毒者の多くは、人前で自身が薬物を常用していることを述べようとはしないものであり、質問されたとしても正直に回答しないのである。

 さらに別の問題もある。それは、多くの薬物中毒者は調査対象者が選ばれた麻薬売買の場所とは関わり合いがない、という問題である。アヘンやイラン産クラック等の薬物に汚染された者たちの多くが――軽度使用者であれ、なんであれ――、ダーリユーシュ研究所の統計の対象外となってしまっているのである。

 換言すれば、この研究所の調査対象となっている地域に関して言えば、薬物売買の中心地と考えられている市内各所の公園や、人目に付きづらい複雑に入り組んだ路地裏などは調査の対象として考慮されていないのである。

 また同研究所は、〔薬物中毒者たちが〕集まっている場所を調査に訪れた時間帯について明らかにしていない。例えば、もし調査者が日中に薬物売買が行われている場所や薬物中毒者の集合地に対して調査を行えば、夜間に行った場合に比べ、確実に異なった結果が手に入るはずなのだ。

〔後略〕

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( 翻訳者:大場麻子 )
( 記事ID:12967 )