国産衛星打ち上げロケット「サフィール」、宇宙を目指して飛び立つ
2008年02月05日付 E'temad-e Melli 紙

国産衛星打ち上げロケット「サフィール」が、大統領による「神よ、あなたのワリーを早くお救い下さい」とのかけ声とともに、打ち上げられた。〔※ワリーとは「近くにいる者」「友人」という意味で、ここではお隠れのイマーム・マフディーのことを指す。このかけ声は、お隠れのイマームが救世主として速やかな再臨を神に祈る際に用いられる〕

 マフムード・アフマディーネジャード大統領は、イラン・ロケット打ち上げ基地から「サフィール」衛星打ち上げロケットが発射される際、次のように語った。「お隠れの第12代イマーム・マフディーの恩寵により、イマーム・ホメイニー、そして革命の偉大なる殉教者たちの記憶を讃えつつ、ここに探査機1号の発射許可を与える。人類の進歩と親愛なるイランの物質的・精神的発展にとって、大きな一歩とならんことを」。

 今回打ち上げられたロケットは探査用で、軌道上への衛星打ち上げに向けた初期的な準備段階の一つに位置づけられており、打ち上げ前の衛星の飛行環境を調査することをその任務としている。

 このロケットは、1万個以上の多様な部品からなっており、これらがエンジンや胴体、誘導・制御系など、ロケットの様々な箇所を構成している。これらはすべて、様々な分野を専門とする大学の研究者らによって過去10年間にわたり国内開発されてきたもので、今後イランの宇宙産業はロケットを完全に〔国産として〕製作することができるようになる。この種のロケット製品の一つは、イランで最初の宇宙システムを立ち上げた国防省宇宙航空産業機構のセンター内に置かれ、メディアや関係者が我が国の偉大なる成果を視察できるようになる予定だ。

 近い将来、国産衛星「オミード」が国産の衛星打ち上げロケットをつかって、イラン・ロケット打ち上げ基地から軌道上へ向けて発射されることも予定されている。今回のロケット打ち上げ式は、大統領をはじめ関係武官・文官らが見守る中、イラン国営放送によってイラン・ロケット打ち上げ基地から生中継で、イランそして世界の人々に伝えられた。

 マフムード・アフマディーネジャード大統領は式典の中で、イラン国民が手にした成果は全人類のものだとした上で、「われわれは今日、技術的に最も複雑な仕事において、先駆的な位置にいる。これはイラン国民、そして世界の全ての諸国民にとって、輝かしい未来が待ち受けていることを意味する」と語った。

 大統領はその中で、「今日われわれは、衛星の製造とともに、我が国の専門家の若者たちの歓喜と成長を目にしている。この〔若者たちが獲得した〕自らを信じる力、自信は衛星の製造そのものよりも重要なことだ」と述べ、さらにイスラーム革命への信仰と忠誠こそ、国民が有する最も高価な資本であるとした上で、「今日技術的に最も複雑な仕事において、われわれは先駆的な位置にいる。これはイラン国民、そして世界の全ての諸国民にとって、輝かしい未来が待ち受けていることを意味する」と声を上げた。

 アフマディーネジャード大統領はイランの研究者・専門家らに向けて、さらに「小生はあなた方に、頂点を目指してほしいと思っている。高い自信をもって、〔ともに〕前進しようではないか」と語りかけた。

 同大統領はその上で、「全て金で何とかなる、モノこそ全てなどと考えている者がいる。しかし、さにあらず。世界を包み込んでいるのは、敬虔な人間の意志なのである」と論じた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:13081 )