トルコでもお願いします -エルドアン首相、ドイツで学生たちと直接討論
2008年02月09日付 Radikal 紙

多くのトルコの政治家と同様、民衆と直接会って議論することを全く好まないエルドアン首相は、ドイツで移民の学生達と会い、メルケル首相と一緒に彼らの批判に耳を傾け、提案について議論した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相とドイツのアンゲラ・メルケル首相は、首相官邸でトルコ人、ドイツ人の学生と、熱気に満ちた、そして民主主義の見本となる光景で一堂に会した。
両首相はトルコ人とドイツ人の学生達と一緒に座った。そして多くの異なる話題について、学生たちに長い発言時間が与えられた「座談」が行われた。移民であることの難しさについて、学生達と双方向で話し合われた。トルコで政治家が演壇から長時間にわたる演説を行い、客席で人々が眠っている会議を思い浮かべると、この催しは民主主義のために見習うべきものであった。
「エルドアン首相はトルコでもいつか、学生らとこうした形で一堂に会するだろうか?クルド問題、世俗主義、イスラーム風スカーフは、このような環境で議論されるだろうか?」という疑問が頭に残った。

■両首相が望んだ
メルケル首相とエルドアン首相は、ベルリンで共同のパネルに参加し、学生の質問に答えようと、催しの2週間前に行った電話会談で決めた。順応能力について話し合った両首相は、「私たちが会談する際に、学生達とも会いましょう」と約束した。
しばらくたって、メルケル首相の事務局がトルコに連絡をしてきた。準備作業は両国の大使館を通して進められた。パネルに参加する学生たちも、ベルリンの様々な学校から、これもまた両国の共同作業で選出された。

■熱気ある会場
パネルは9日、ドイツ首相官邸で実現された。演壇はなかった。低い台の上に置かれた椅子に、両首相と何人かの学生が並んで座った。エルドアン首相とメルケル首相の間に座った学生達もいた。
大半がトルコ人からなる300人の学生も低い台の周りに座った。エルドアン首相に続いて短いスピーチを行ったメルケル首相は、マイクを学生に渡した。学生達は移民であることの困難を語り、両首相はそれを聞いた。メルケル首相とエルドアン首相は学生と相互に会話もした。しばしばパネルをメルケル首相が導き、 「学生にもっと発言してもらいましょう」 と言って、自分の発言を短くした。

「ある人が自分たちと違うように見えたら、または違う服装をしていたら、まずは異質だと感じると思います。私は皆さんがこういった人をみかけたらすぐに質問をして、この人について情報を得るべきだと思います」と言ったメルケル首相に、ある学生は質問の仕方も重要だと述べた。
メルケル首相もこれに対して、「そうです、それも大切です。そして自信を持つことも大切です。あなた方には素晴らしい伝統と、素晴らしい文化があるのです」と述べた。
メルケル首相自身も、旧東ドイツから来たことに触れ、自信も大きな先入観に直面したと付け加えた。

会議では次のような会話が交わされた。
学生:一番重要なのは、人々がお互いを認めることです…ドイツ人はトルコ人に対して、トルコ人はドイツ人に対して先入観を持っています。先入観なしに認めることが必要です。
メルケル首相:ドイツ人の友人はいますか?
学生:一番仲の良い友人はドイツ人でした。勿論多くの友人がいます…
エルドアン首相:メルケルさん、ご覧の通り、我らが司会者はとても優秀です…
メルケル首相:言語試験についてはどう思いますか?教師が移民系であることは必要ですか?
学生:私は必要だと思います、これはとても重要です。ドイツ人以外の先生はいません。
会話の際にエルドアン首相は、「融和には賛成です、融和して行われるべきことは何であろうとなされる必要がある、しかし同化には反対です。なぜなら人間は自分の文化を持つからこそ価値があるのですから」と述べた。

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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:13089 )