ストリート・チルドレン保護のための予算、減少
2008年02月05日付 E'temad-e Melli 紙

 福祉・社会保障省は昨日、ストリート・チルドレンを保護するための予算として、社会福祉庁に200億リヤール(約2億3千万円)を割り当てることを、高らかに発表した。2年前は35億トマーン(約4億円)が「ストリート・チルドレン保護計画実施細目」の施行のために計上されていた。一部の調査結果によると、ストリート・チルドレンの数は〔2年前と比べて〕123パーセントも増加しているにもかかわらず、2年後の現在では15億トマーン少ない予算で子供の保護が予定されていることになる。

 この予算削減は、福祉・社会保障省内の種々の機構の合併による経費節約とは関連がない。というのも2年前、この35億トマーンという予算は福祉・社会保障相とテヘラン州知事との間で交わされた合意によって、もっぱらストリート・チルドレンの保護のために割り当てられたものだからである。

 当時のテヘラン州副知事の職にあったザフラー・ネジャード=バフラーム氏によると、上述の計画は合意文書に署名してから一年以内に何らかの結果を出すことが予定されていたという。つまり、この間に子供たちを補導し、矯正して、地方やテヘランに振り分けた上で、彼らに臨時の、あるいは永続的な住居を与えることが意図されていたのである。

 福祉・社会保障省から発表された報告によれば、今日割り当てられた20億トマーンの予算は、レベル2の施設、つまりストリート・チルドレンを引き受け、彼らに一時的な保護を与える役目を負う予定の施設にだけ、配分されることになっている。

 これらの施設は、ケースワークや臨床的・精神病理学的・心理学的検査などのサービスを提供することによって、子供たちの人格形成や能力化を可能にするための措置を可能な限り早急に講ずることになっている。

(中略)

 ストリート・チルドレン、123パーセント増加

 82年〔西暦2003/4年〕、第2期テヘラン市議会がいまだ街のホームレスや物乞い、住所不定の行商人に対する摘発・検挙を始めたばかりの時期、同市議会はストリート・チルドレンの保護へ向けた案を提示し、県や州、行政企画庁、テヘラン福祉庁、同市司法当局、治安維持軍(警察)、及びテヘラン市議会文化・社会委員長の間で合意文書が取り交わされた。それにより、各機関は自らに課せられた決定事項をそれぞれ実施する義務を負うこととなった。その後市と福祉庁の協力によって、子供たちを保護するための施設が市内数カ所に設立され、一部の子供たちは実際に同施設に送られるようになった。

 現在ストリート・チルドレンの保護に関わる予算は2年前に比べて削減されているが、その一方で、過去の施策では〔ストリート・チルドレン対策としては〕効果がなかったことは、大都市を見る限り明らかである。心理学者であり児童権利保護協会のメンバーでもあるファーテメ・ガーセムザーデ博士がこのことに関して行った調査によると、様々な年齢層に属するストリート・チルドレンの数は平均して123%増加しており、〔テヘラン北部の〕タジュリーシュ広場で最大233%、最小でもレサーラト広場で81%増加したという。

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( 翻訳者:山下涼生 )
( 記事ID:13134 )