2009年から200TL紙幣発行へ ユヌス・エムレの紙幣も
2008年02月27日付 Zaman 紙

通貨から6つのゼロを除いて3年前に発行された新トルコリラYTLがついに廃止となる。2009年1月1日から紙幣から「Y」の文字がなくなり、市場で再びトルコリラの時代が始まる予定だ。

 大きさ、色、デザイン、そして安全性の観点からも通貨が変更される予定だ。需要の余り多くない1新トルコリラ紙幣が廃止され、200トルコリラTLの新紙幣が発行される予定だ。紙幣上の絵も変更され、トルコ史で重要な地位を獲得した詩人、数学者、思想家、音楽や芸術史の著名人たちが通貨上で描かれる予定だ。これら人物の一人にトルコ言語及び文学の最も偉大な詩人の一人であるユヌス・エムレがいると伝えられている。検討議題となっている他の人物には、エルズルムを敵の占領から解放するに際し貢献したネネ・ハトゥンがいると伝えられた。

 複数の情報筋は、特にトルコ史で重要視される人物たちの絵が来年始から流通予定のTLに描かれるだろうと明らかにした。また、「我々は、様々な分野で歴史に貢献した人物をトルコリラで目にするでしょう。しかし、これらの人物は14、15世紀頃に生きた人物とは限らないでしょう。これらの人物は、近代史に貢献した人物からも選択されるでしょう」とも述べた。他方、未だどの人物になるかに関して明確な決定が下っていないと伝え、新デザインと裏面の肖像画がお披露目会見まで公表されないであろうと強調した。

 銀行執行部は、この件に関して最終決定を秋に行う予定だ。トルコリラは紙幣では、偽金対策として世界の科学技術の発展に合わせ、新たに進展した安全策も用いる予定だ。新安全策の一部は、紙、インク、ソフトウェア等の様々な面で施され、「時が来れば」発表される予定だ。欧州連合がユーロに似ていることで苦情を述べた硬貨も変更する予定だ。貨幣偽造が横行している1YTLの合金と大きさがリニューアルされる予定だ。

■ 共和国の第9シリーズ

 紙幣、債権、手形、株券などの資産の最初の市場放出は、発券と呼ばれている。共和国史の最初の発券は「第1発券(E1)グループ」という名で1927年12月5日に実施された。当時、中央銀行が未設立であったため、この通貨はある英国の会社により準備、作成された。この通貨は、約10年間流通し続け、第2期にラテン文字で作成された通貨に変更された。

「第2発券(E2)グループ」は、1937-44年間に発行された。この通貨の最大の特徴は、表面にアタテュルクとイスメト・イノニュの肖像画が描かれていることだ。

「第3発券(E3)グループ」は、1942-47年間に7回に亘り、イギリス、ドイツ、そしてアメリカ合衆国で作成された。

「第4発券(E4 )グループ」は、最も額面価値の種類の少ない通貨を発行したシリーズだった。アメリカ合衆国で発行されたこれら通貨全ての紙面には「国民的指導者」であるイノニュの絵がある。

 第5グループは民主党期に発行された。このシリーズには、国民にお馴染みの「紫色の千リラ紙幣」がある。トルコリラがアメリカとイギリスで作成されたことをアドナン・メンデレス首相は不快に思い、彼の指示で設立された銀行券印刷所で発行された。

 第6シリーズは、1966-83年間に流通した。1979年に発行開始された「第7発券(E7)グループ」は国民の間で「インフレ期の通貨」として知られている。2000万リラの銀行券もあるこのシリーズの後、2004年1月28日に既存通貨から6つのゼロが除かれ成立したYTLシリーズが発行された。2009年に発行予定の「E9発券グループ」はシリーズ最新の通貨となる予定だ。

■ 通貨には寛大と武勇の象徴的人物

 中央銀行が(新発行の)リラ上で強く印象づけようと望むユヌス・エムレとネネ・ハトゥンのふたりはアナトリアの地に歴史的刻印をしるしている。ユヌス・エムレは、アナトリアがモンゴル侵略を受けた時代にイスラーム神秘主義とその信仰の存続を実現した人物の一人である。彼の表現形態によりトルコとイスラームの一体化の創出に大きく貢献した。

 ネネ・ハトゥンは、「93戦争」として知られる1877-78年のオスマン帝国対ロシアの戦争期に彼女の幼い息子と3ヶ月の娘を家に残して、エルズルム防衛戦に参加した若き志願兵である。エルズルムの安全を確保するアズィズィイェ要塞の奪回で大きく貢献し、戦争終結後も、負傷者の治療に励んだ。ネネ・ハトゥンは、愛国心の最良の模範を示しており、トルコ史の最も重要な勇者の一人として描かれている。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:13232 )