貧困ライン、60万トマーンのレベルに
2008年02月21日付 E'temad-e Melli 紙

【経済部】ここ最近、経済の専門家らはみな一様に、来年のインフレの悪化を口にしている。専門家らの発言はイラン経済が置かれている状況に対する悲観論を伴ったものであるが、しかし彼らの警告が現実に極めて近いものであることを認め、それに基づいた緊急の経済対策を講ずることが必要であろう。実際、国会議員や公益判別評議会の委員らによれば、1387年度〔2008年度〕予算はインフレの悪化と〔石油収入への〕さらなる依存をもたらすだけだという。

 このような中、労働者や事務職員らはインフレの影響を最も受けることになると予想されている。というのも、彼らの給与〔の伸び〕にはインフレ率と小さくない差があるからだ。例えば、今年度政府は〔政府が雇用する〕労働者の給与を10%引き上げたが、しかし労働者は20%というインフレ率との差に苦しんでいるのである。もちろん、この20%というインフレ率は政府が発表した〔公式の統計〕である〔=実際のインフレ率はもっと高い可能性がある〕。

 このことに関し、国の「給与委員会」の委員の一人は、全国レベルで見た場合のイランの貧困ラインは、〔月収で〕55万トマーンから60万トマーン〔約6万3千円から約6万9千円〕であるとして、Mowj通信に「労働者の賃金と、現在の社会における貧困ラインとのギャップは75%であると見積もられている〔※平均的な労働者の賃金レベルは貧困ラインの75%にしか達していない、ということを意味しているものと思われる〕」と語っている。

 経済の専門家らは、今年終わりまでにイラン経済は30%のインフレを経験するだろうと述べている。このような見通しから、労働者・給与所得者は来年度、さらにインフレに苦しめられると考えられる。というのも、1387年度〔2008年度〕予算は開発予算が65%増加し、石油〔収入〕への依存を高めることで、石油〔収入〕以外に〔経済成長の〕見通しが描けないからである。

 経済の有識者らは、貧困ラインが600万トマーンに近づいているとしているが、果たして政府は〔政府が雇用する労働者の〕賃金を来年度、何%まで引き上げるつもりなのだろうか。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:13237 )