米国から越境攻撃に関するメッセージ「2週間以内に切り上げ、政治的解決を考えよ」
2008年02月28日付 Radikal 紙

米国のロバート・ゲイツ国防長官は、トルコ軍が1,2週間でイラクから撤退することが重要であること、また軍事行動だけでは不十分であると発言した。国家安全保障評議会は作戦行動に2週間という期間を明示した。

ゲイツ国防長官はトルコへ来る途中、トルコ政府に対して「1、2週間以内に北イラクから撤退せよ」とのメッセージを送った。2月21日、作戦行動開始の1時間前に終了した国家安全保障評議会の会議でも、作戦を2週間とすることが決定されたと言われている。これに対し、バグダッドに赴いた代表団のひとり、総理の外交顧問であるアフメト・ダヴトオールは、イラクのジバリ外相との会談後、「我々の任務はPKK(クルド労働者党)を一掃することであり、そのための期限はありません。テロ施設が壊滅するまで続くでしょう」と述べた。
 
ゲイツ国防長官はまた、27日のトルコでの折衝の前にインドで行った会見で、北イラクでの軍事行動を早急に終えることを求め、こう述べた。
「トルコ側が軍事行動を可能な限り短期間で完了し、撤退することが極めて重要です。トルコはイラクの国家主権に留意しなければなりません。完了までの期間として私が意味しているのは、数日間、1~2週間、そのくらいの期間であり、数か月ではありません」
 
ゲイツ長官は続けて次のように語った。
「トルコがこのテロ問題を解決できないという私見を繰り返します。軍事行動の意味はもちろんありますが、この問題に経済的、政治的介入も同時に行うことが必要です。長期的な解決のためには、PKKが根をはっている地域環境を、支持を得られるように変換していく必要があるのです。米国はこのことについても、トルコ政府に対し援助をする用意があります」

■ 国家安全保障評議会、「2週間」と発言

2月21日に参集した国家安全保障評議会では、トルコが北イラクに対し、12月1日から継続している空からの軍事行動の継続として、陸からの軍事行動を実施するための最終決定が下されている。軍部上層部のある高官から得られた情報によると、首相、外相、その他の政府上層部がしばしば発言している「最短期間」という表現が、国家安全保障評議会で議論された。委員会の軍部関係者は「最も効果的な結果をもたらす」軍事行動は最短でも15日間かかるとし、人々に注目させ、軍事行動を開始時点では2週間を想定することになると説明した。国家安全保障評議会も、初めて行う陸からの軍事行動を2週間と決定した。ただし軍事行動は、空から約3か月間継続され、陸の段階に到達しており、「必要とあらば」、陸からの軍事行動も継続することが決められた。この枠組みの中で軍部は初期の軍事行動から得られた成果をもとに、しばしば越境を継続する予定だ。

■代表団はバグダッド入り

トルコのイラク特別副代表ムラト・オズチェリキ大使、首相府のハカン・フィダン事務補佐官、首相府顧問代表アフメト・ダヴトオール教授からなる代表団は、27日、バグダッドにいた。一日中、行動を共にし、タラバーニー大統領、ジバリ外相の他、イラク側の一部の当局者と面談した。ダヴトオール顧問はジバリ外相との会談後に記者会見を行い、「目的は明確です。我々の任務はPKKを一掃することであり、そのための期限はありません。テロ施設が壊滅するまで続きます」と述べた。
 イラクのマリキ首相が健康診断のためにロンドンにいることから、首相府の全権委任をうけたベルハム・サーリヒ補佐官は、「トルコが北イラクでの作戦行動の期間延長をすればその結果は恐ろしいことになります。非常に危険で、安定が脅かされる状態となります」と述べた。

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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:13243 )