Meral Tamer コラム:貧困層と雇用(上)労働参加できない女性
2008年03月15日付 Milliyet 紙

ボアズィチ大学社会政治フォーラムの調査によると、ムシュの貧しい街区において職を持つ女性の割合はわずか2.0パーセント、コンヤでは3.1パーセントに留まっている。

アイシェ・ブーラ教授とチャーラル・ケイデル教授が共同議長を務めたボアズィチ大学社会政治フォーラムは、重要な調査結果を再確認した。トルコの9つの都市の最も貧しい街区に属する1800の世帯を対象に1年かけてまとめられた調査は、特に女性のほぼ全員が労働市場から排除されている事実を明るみに出した。
別表1では、調査のために選ばれた人口50万人以上の都市における、トルコ統計機構(TÜİK)の2003年のデータに基づく男女の雇用率(職を持っている人の割合)が示されている。別表2はブーラ教授とケイデル教授が(別表1と)同じ都市の最も貧しい地区で行った調査の数的な結果であり、状況がどれほど深刻かを示している。

■貧困層の女性は排除されている

トルコ科学技術研究機構(TÜBİTAK)の支援により行われた調査によると、最も貧しい地区では、職を持つ女性の割合は調査サンプル全体で残念ながら9.4パーセントに留まっており、さらにこの割合はコンヤでは3.1パーセント、エルズルムで2.6パーセント、ムシュで2.0パーセントにまで落ち込んでいる。
ブーラ教授は、この調査が明らかにした3つの重要な調査結果を次のようにまとめた:
1)都市部において女性の圧倒的多数は職を持って働くことから無縁である。貧困地区で居住する女性たちは、ほとんど全員が働くことから排除されている状態にある。端的に言えば、トルコの女性の大半は、(生活するために)男性を必要としている。
2)働くことの性質と、貧困層がどのように労働に参加しているのかに関する重要な事実を発見した。生業形態に影響を与える要素としての貧困が、失業とは別に、個々人が手に入れられる雇用の可能性の性質とも関連していることが分かった。
3)貧困層において雇用率がこれほど低くなっていることは、これが1つの文化的側面を持つことをも示している。つまり、失業がそれほど蔓延しているため、劣悪な条件で安く働かされる男性は女性が働くことに大して熱心でないということだ。例えばコンヤは、産業の発展した土地だが、このことは女性の雇用(状況)に全く影響を与えていない。なぜなら女性が働くことは、そもそも快く思われていないからだ」。

調査結果は、貧困にしても女性が仕事をすることにしても民族的な側面を持ちうることを示している。例えば表2に示されているように、リュレブルガズのロマ人が多数を占める貧困地区では男性と女性の雇用率は等しく、女性(の雇用率)の方が0.4ポイント高くさえあることには驚かされる。この点について、明日の私のコラムで例を挙げて取り上げよう。

別表1
2003年の人口・雇用データ(TÜİKデータより)
総人口(千人) 15-65歳人口(千人) 仕事を持つ人の数(千人) 雇用率(%)
女/男 女/男    女/男/全体
エルズルム 361 112/125 8/66 7/53/32
コンヤ 743 235/243 17/153 7/63/36
リュレブルガズ 79 26/29 5/22 19/73/48
メルスィン 538 176/166 22/92 12/56/33
ムシュ 68 18/21 1/10 6/50/30
サーリフリ 83 29/27 3/17 12/63/37
サムスン 363 127/123 18/75 14/61/37
ズィレ 53 17/17 1/8 6/48/27

別表2 最貧地区における15-65歳人口の雇用(%)
女性 男性 全体
イスタンブル 16.4 26.2 42.6
イスタンブル以外 7.5 24.8 32.3
エルズルム 2.6 26.7 29.3
コンヤ 3.1 31.0 34.1
リュレブルガズ 20.6 20.2 40.8
メルスィン 7.3 24.6 31.9
ムシュ 2.0 22.2 24.2
サーリフリ 12.1 24.8 36.9
サムスン 11.2 22.3 33.5
ズィレ 8.8 20.7 29.5

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:13361 )