イラン、ドイツから「トランス・ラピッド」の購入を検討
2008年04月02日付 Jam-e Jam 紙

【経済部】イランはテヘラン=マシュハド間を磁気浮上式高速鉄道(マグレヴ)で結ぶ計画を実現させるため、ドイツから同種の鉄道を購入することを検討している。

 ドイチェ・ヴェレの報道を引用する形でISNAが伝えたところによると、イランはドイツのトランス・ラピッドを導入することで、テヘランとその周辺と、マシュハドの間を移動する毎年1200万から1500万人の聖廟参詣者を輸送する計画で、イラン政府はこの計画の準備段階を実施するために、約11億ユーロを計上しているという。

 この報道によると、ミュンヘンの技術系企業「シュレーゲル」社は、イラン政府が「トランス・ラピッド」と呼ばれるドイツ製のマグレヴを購入する計画であることを明かした。同社の責任者であるハロルド・シュペート氏は、この件に関し記者らに「テヘラン=マシュハド間を移動する聖廟参詣者を高速で輸送することを目的に、イランは時速300キロメートルで走行するこの鉄道の購入を計画している」と述べた。

 同報道によると、イマーム・レザー廟に参詣する参詣者たちはこの鉄道を利用することで、テヘラン=マシュハド間を3時間で移動することができるようになるという。

 ハロルド・シュペート氏によれば、シュレーゲル社はイラン当局の発注に対し、現在「計画の実現可能性に関する報告書」を作成しているところだという。この予備調査では、トランス・ラピッド用の路線建設の費用が見積もられる予定であり、シュペート氏によれば、報告書の作成は12ヶ月から18ヶ月後には終了する見込みだという。

 この計画が実現されれば、テヘラン=マシュハド間の路線はこれまでマグレヴ車両の運行のために建設された路線としては、世界で最も長距離のものとなる。

 ハロルド・シュペート氏はまた、イラン政府は同計画の実現に向けた準備段階として、15億ドル(約11億ユーロ)を計上しているという。同氏はさらに、イランはトランス・ラピッド建設のための費用を調達するために、民間資本を活用する計画だと述べている。

 ドイツ政府御用達企業であるシュレーゲル社の責任者シュペート氏は、トランス・ラピッド建設にかかる費用の調達に関し、石油〔収入による外貨〕備蓄があるため、イランについては財務上、根本的問題はないとしている。イランは同計画の実現へ向けた調査を約3年にわたり行ってきており、トランス・ラピッドの技術的成果を視察するために政府代表者らを(トランス・ラピッドが最初に試験走行された)ドイツのエムスランドや(現在、トランス・ラピッドが運用されている)上海に派遣してきた。

 同報道はさらに次のように付け加えている。「イランにトランス・ラピッドを建設する計画をめぐる議論は、バイエルン州の前経済相の時代に始まった。同相は一度、イランを短期間訪問したこともある。現在ドイツ鉄道の執行役員を務めているヴィースホイ氏は、ジュード・ドイチェ・ツァイトゥング(南ドイツ新聞)とのインタビューの中で、イラン当局との最初の話し合いで『基礎的な計画について』協議したと述べている」。

 オットー・ヴィースホイ氏はトランス・ラピッド路線建設にとって、イランとの間で起きている核問題をめぐる対立は障碍にならないとし、「イラン国内の参詣者を輸送する計画は、制裁の対象になるようなものではない」との見方を示したという。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:13500 )