ノウルーズ期間中の森林火災に「火の用心」
2008年03月29日付 Iran 紙

【経済部:ゾフレ・アフシャール】イラン北部でのかつてない気温上昇、ノウルーズ(西暦3月21日から4月1日までのイランの新年)を利用した旅行者の増加と、人々が自然環境の利用を軽く考えていることが、北部諸州での火災増加を招いている。

 こうした火災発生の要因をうけて、州担当者らは、住民に警告を行うのと同時に、自然環境、特に森林の保護を呼びかけている。

 ギーラーン州自然資源管理局長のラスール・モハンマディー氏は、イラン紙とのインタビューの中で、同州の気候温暖化を指摘し、森林区域において火災が発生しやすくなっていると警告した。モハンマディー氏は、ノウルーズ期間中に同州で44件の火災が発生したとして、ノウルーズ休みを利用して同州を訪れる旅行者らに、森林およびその周辺では、指定された場所以外で火を使わないように勧告した。

 同自然資源管理局長によると、今月ファルヴァルディーン月(イラン暦第一月)2日(西暦3月22日)、ギーラーン州は熱波をともなう温暖で乾燥した前線の影響下に入り、同州の天候は、火災発生の危険性が高いとされる気温37度、湿度5%未満にまで達した。そしてこれが、ノウルーズ休みの旅行者が北部諸州へ押し寄せるのと重なったのである。

 モハンマディー局長は、「気象予報によれば、この前線はファルヴァルディーン月末まで(西暦4月20日ごろまで)北部に停滞し活動を続けると思われる。最新の統計によると、ここ1週間で、北部諸州の計192ヘクタールの森林が火災に見舞われた」と語った。

 そのうち40%は完全に焼失している。これらは人工林であった。残りも被害を受けた。

 モハンマディー氏は、火災によって生じる損害が約20億リヤール(約2200万円)になると予測する。同氏はまた、「利潤を追求する一部の者たちは、ノウルーズ期間中故意に火災を起こして私有の茶畑を拡げようとしている。管理局担当者らは、彼らに厳しく対処しなければならない」と述べた。こうした状況は、昨年のノウルーズ期間にギーラーン州で発生した火災は、たった3件であったのとは対照的である。

 ギーラーン州自然資源管理局局長は、自然の日(ノウルーズ最終日のファルヴァルディーン月13日、西暦4月1日にあたる。この日には自然の中へ出かけ、家族や親しい人と過ごす習慣がある)を前に、国のもっとも価値ある資源として、人々にもっと森林を大切にしてほしいと語った。なお、毎年1000件以上の火災が森林や牧草地で発生しており、その被害額は年間数千億リヤール(約数十億円)にのぼると見られる。環境被害も合わせると、この額は数倍にもなる。 

 森林火災の95%は人的要因によるもので、5%が熱波や天然ガス噴出といった自然の要因によると見られている。

 国土の自然区域は総計1億3600万ヘクタールにのぼり、うち1420万ヘクタールが森林である。森林区域の62%はザグロス山脈にあり、12%が国の北部、残りがその他の地域に存在する。森林破壊の要因の中でも、火災は毎年数百ヘクタールの森林を呑込む、最も深刻かつ危険な要因である。
 

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( 翻訳者:米沢佳奈 )
( 記事ID:13506 )