バローゾ欧州委員長からトルコに4つのメッセージ
2008年04月11日付 Yeni Safak 紙

1.公正発展党(AKP)解党裁判
憲法裁判所の判決が、欧州の基準に合うものになることを期待している。解党裁判のことを耳にした時は正直なところ驚いた。このような進展は、先進国では起こりえない。

2.世俗主義の解釈
政府の宗教は存在しない。しかし国民の宗教は存在するのである。ここでは個人の権利に対する尊重が重要だ。世俗主義が一種の宗教であるかのように人々に押し付けられてはならない。民主的な世俗主義とはこういうものである。宗教の必要性にも敬意が払われるべきだ。

3.トルコ刑法第301条の改定
議会で議論中であるため、草案に関するコメントはしない。しかし第一印象はよい。死刑制度の廃止、ならびにトルコ刑法第301条の廃止に関する試みはとても前向きな改革である。

4.2項目でのEU加盟交渉開始
改革が継続するよう奨励するためにここへ来た。我々には共通の目標と利益がある。7月には、2項目で新たに交渉が開始されると思う。我々はトルコに対して大きな信頼をよせている。

バローゾEU委員長は、首相官邸中央舎での公式式典でレジェプ・タイイプ・エルドアン首相に迎えられた。会談後、バローゾEU委員長とエルドアン首相は、カメラの前に現れた。

バローゾEU委員長は、トルコ訪問を心待ちにしていたこと、そして、トルコに対し強い称賛の念を抱いていると話し、コメントを述べ始めた。
「今回の最大の目的はトルコにおける改革を奨励し、勇気づけることでした。しかし同時に、トルコ側の意見に耳を傾けること、そしてトルコをよりよく理解するために来ました」と述べた。バローゾEU委員長は、トルコとEUがお互い共通する責任と利益を有することに着目し、このためEUはトルコで起こるいかなる出来事についても関心をもつと述べた。エルドアン首相に対し同委員長は、「なされるべきより多くのことがあります。長い道のりです」というメッセージを伝え、改革推進の重要性を指摘した。

■大きな信頼

バローゾEU委員長は、「欧州委員会を代表して、トルコに対する信頼感をお伝えしたい。共通の未来に対し、とても大きな信頼感を感じているのです」と述べた。
記者たちの公正発展党(AKP)解党裁判に関する質問にバローゾ委員長は、EUがこれほど重要な問題に対して、まったく無関心でいられる訳はないと述べた。同委員長は、「裁判所の決定を尊重する」という表現を用い、「包み隠さず述べるならば、判決が法律に沿ったもので、EU、欧州人権裁判所、そしてヴェニス委員会の基準に合ったものになるよう願っている」と述べた。同EU委員長は、こういったことは「通常の安定国家ではあまり見られないこと」と述べた。

■民主的な世俗主義

バローゾ委員長は、「民主的な世俗主義」という言葉にも説明を加えた。また同委員長は、世俗主義は独断的なものではないと強調し、公的組織と宗教の間で区別をはっきりさせる必要があることを明示し、次のように続けた。
「我々が民主的な世俗主義と呼んでいるのはこういったものです。男女関係なく、個人個人がこのことを感じられるようになる必要があります。宗教を無いものとして振る舞うことは不可能です。どんな宗教の自由に対しても敬意が払われる必要があります」

■完全加盟のみが唯一の選択肢

エルドアン首相は、会談でトルコのEU加盟プロセス、エネルギー問題、そしてキプロス問題が取り上げられたと述べ、次のように続けた。
「バローゾEU委員長には、完全加盟以外の選択肢は受け入れない旨を再度伝えました。キプロス問題においては国連の下で公正な解決策を要請しました」

エルドアン首相は、テロ対策に関してもバローゾEU委員長と同じ考えを持っていると述べた。また同首相は、簡単に解党できないようにする憲法改正の作業については、「必要であれば改正に踏み切ります。必要でなければ、法的なプロセスを見守ります」と述べた。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:13559 )