マルマライ-マルマラ海底トンネル工事を、実況生中継
2008年04月20日付 Yeni Safak 紙

 鉄道・港湾・空港建設総局のマルマライ地域部局のハルク・オズメン部局長は、「マルマライ・プロジェクト」を市民に周知させる目的で、イェニカプ、そしてウスキュダルに2台の大型デジタルスクリーンが設置される予定であると述べた。

 オズメン部局長は、マルマライ・プロジェクトを市民に周知させる目的で取り組みをしていると話し、この枠組みの中でイェニカプとウスキュダルに1台ずつ、計2台の大型デジタルスクリーンで周知活動を開始すると述べた。同部局長は「イェニカプとウスキュダルに設置される2台の大型デジタルスクリーンでは 24時間、市民にプロジェクトの進捗について情報を提供します。これにより、より広範な人々への情報提供が可能となるでしょう。広告版については、寸法を含めすべての詳細について準備ができています。記念碑高等委員会の許可も得る予定です」と話す。

 オズメン部局長は、「マルマライ・プロジェクト」についても説明し、プロジェクトの第一段階である海峡鉄道トンネル建設を2004年に、第二段階の郊外路線の改善工事も昨年6月に着手し、第三段階であるこのシステムで稼動する鉄道車両の確保に関連する入札が継続中であると述べた。同部局長は「入札案を受け付け、現在は審査を行っているところです。今後数日間で入札の結果が出るだろう」と話した。

 オズメン部局長は、海峡鉄道トンネル建設で計11本のチューブ(沈埋函)を全て海中に沈める作業を今年中に終え、その後トンネル上部を覆う作業を開始すると説明した。また、陸上での作業についても言及し、アジア側で実施されているトンネル掘削作業では1600メートル地点まで進んだこと、そして駅が設置される予定のウスキュダル広場に到達するには2200メートルを残すまでとなったと述べた。

 オズメン部局長は、「日々の掘削の進捗を見る限り、1年後にウスキュダルに到達するだろう。その後ウスキュダルの地下から海へ向かって掘削が続けられることになります。ウスキュダル広場では駅舎建設作業も続いています」と話した。

■考古学発掘作業は6月に終了予定
 オズメン部局長は、地表の建造物に影響を及ぼす可能を調査するため、ヨーロッパ側ではイェニカプとイェディクレの間でのトンネル掘削作業が一時停止されていることに触れた。これと同時に、イェニカプにある考古学サイトでは、発掘作業と建設作業の両方が継続していることを明らかにした。
 ヨーロッパ側ではこの2つの作業が同時に続いているため、建設作業がよりゆっくり進んでいると説明し、オズメン部局長は以下のように話した。
「地下鉄の駅に隣接した敷地での発掘は8割を終えました。残りの2割は6月末を目標としています。つまりこういうことになります。もし想定外の障害が発生しなければ、そして我々が発掘している場所から新しい出土品が出てこなければ、6月末頃の終了を目標にできるということです。博物館との話し合いもこの方向で進んでいます。その後は、建設作業だけに集中できる段階に入れる予定です」

 オズメン局長は、発掘で出土した遺物がイスタンブル考古学博物館の保管庫へと収められ、一部は博物館に展示されたと説明した。また、記念碑高等委員会の決定に従って、ここから出土した遺物の一部の展示を可能とするかたちで、イェニカプ駅が計画されると述べ、次のように続けた。
「駅舎内に入った所々で、ここから出土した遺物が展示可能となるよう計画されています。イスタンブル広域市役所は、イェニカプ都市デザインプロジェクトという名の下にプロジェクトを開始しました。このプロジェクトの範疇に含まれるエリアに、我々のプロジェクト用地と地下鉄駅の建設用地が入っています。マルマライの計画区域の大部分は、考古学公園と博物館のための場所とされている状況です。この考古学公園の外に設定された博物館予定地には、博物館の建設が計画されています。まだ結論は出されていませんが、広域市役所の都市デザインプロジェクトには、『博物館と考古学公園』という名称で場所が確保されています」

 オズメン局長は、スィルケジ地区では、二箇所を含む四箇所の駅入り口で作業を行っていることを明らかにした。また駅の入口のうち一か所は、既存のトルコ国営鉄道スィルケジ駅の中に設置される予定であり、そこで建設作業が開始されると述べた。

■1年間テストを行う
 オズメン部局長は、この建設現場に予定されている駅舎へのふたつ目の入口、ジャーオール地区での考古学的調査が完了間近であることを明らかにし、次のように話した。
「2008年の年末、イェニカプから掘削作業を始める重機は、1年後にはスィルケジ駅まで到達する予定です」

 「我々はデザイン上もまた建設上においても、高品質のシステムを構築するべく努力している」と述べたオズメン部局長は、以下のように続けた。

「計画の完了予定は、現段階では2010年10月です。つまりこのシステムは、2011年には準備が完了します。この間、もちろんプロジェクトの第二段階も進めています。第二段階でも、建設はフランス、日本、トルコの共同グループが行っています。第二段階における計画は次の通りです。初めの18ヶ月間に、ゲブゼとハルカルで仮施設を建設します。2009年初頭には郊外路線を閉鎖します。2009年初頭から2年間、つまり2011年初頭には63キロメートルの郊外路線の全工事を完了させる必要があります。両システムとも、2011年末頃には準備が整い、稼動段階に至る予定であり、これを目標としています。今後数日の間に、鉄道車両に関する第三段階の入札結果が出され、製造が開始されます。また、システムのテスト期間もあります。テスト期間は1年間だが、テストを昼夜行うことで期間短縮が可能です。テスト期間の目的は、システムの安全性を証明し、路線の稼動に準備が整ったことを明らかにすることです。テスト期間の終了後には、システムは実際に稼動することになり、2011年に営業が開始されるだろう」

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:13623 )