“イラン・ヒョウ“の名が消える!(下)
2008年04月13日付 E'temad-e Melli 紙

“イラン・ヒョウ“の名が消える!(上)のつづき

〔中略〕

 ところが2006年に、アルメニアの調査団は中東ヒョウの生息地の大部分を占めるコーサカス、及び類似地域のヒョウの分類上の位置を見直す作業を、頭蓋骨の形態論的手法を用いて(信頼性の高い遺伝学的な手法を用いることなく!)行い、全く新しい見解を打ち出した。

 彼らは、アラビア半島を除く全ての西アジアのヒョウはP.p saxicolor〔通称イラン・ヒョウ〕という亜種に属しているという考え方を批判し、イラン北部に生息するヒョウはコーサカス・ヒョウに極めてよく似ているとの結論を出して、このヒョウに対してP.p sindica〔Panthera pardus ciscaucasica、通称コーカサス・ヒョウの誤りと思われる〕の名称を提案したのである。

 こうして、最新の権威ある学術文献では、今日イラン・ヒョウという名の亜種はこの世にはもはや存在しない。2003年にホルーズィヤンの推計にもとづいて発表された中東のヒョウ1300頭のうち、約859頭、つまり65%以上はイランに生息しているにも拘らず、である。今後、我々はコーサカス・ヒョウという名称でイラン・ヒョウについて言及しなければならないということを、肝に銘じておかねばならないだろう。なぜなら最新の学術出版物によれば、イラン・ヒョウなる存在はもはや実在しないからだ。

〔中略〕

 このような事態の推移を考えるならば、もし近い将来、無名のイラク人学者が現れて、「イラン・キイロジカなどという名称は間違っている。イラク・キイロジカと名づけるべきだ!」と主張したとしても、あまり驚いてはいけないだろう。「イラン・ヒョウ」を失うとは、われわれも迂闊なものである。

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“イラン・ヒョウ”の名が消える!(上)

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( 翻訳者:曽田茜 )
( 記事ID:13633 )