全国総合査察機構、住宅価格高騰の要因を公表
2008年04月16日付 Jam-e Jam 紙

【経済部】全国総合査察機構の調査によると、通貨供給量が急激に上昇していること、住宅需要とその在庫・供給量の間にズレが生じていること(需給の不均衡)、そして市場に出回っている通貨を競合市場が吸収できずにいることなどが、住宅市場の混乱・不安定化に影響しているという。

 ファールス通信が全国総合査察機構広報部の発表として伝えたところによると、同機構の報告書には次のようにある。「住宅部門はイラン人の家計に最大級の圧迫を加えており、収入の少ない社会的弱者の家庭にとって、このような負担は特に深刻である。このようなことから、土地や住宅が置かれている社会的状況やそれらの価格変動に対して、大きな注意・関心が払われるようになっている」。

 「住宅市場の潜在的な需要は約200万戸に及んでおり、需給にズレが生じている。近年、建築戸数が増大しているにもかかわらず、住宅の供給と需要は均衡を欠いた状況が続いている」。

 報告書はさらに次のように続ける。「1384年〔2005年〕以降、通貨供給量が急激に上昇しており、競合市場が利益率の減少からそれを吸収できず、住宅市場に流れ込むといった事態が生じている。さらに、銀行や信用貸付機関による無償融資の上限拡大といった政策が実行されたことも、住宅分野での需要増大を引き起こしている」。

 この報告書ではまた、住宅銀行(バンケ・マスキャン)及び民間銀行による無償融資量についても、次のように述べている。「住宅銀行及び民間銀行による無償融資は、第4次開発計画の最初の2年間、それぞれ318%、163%拡大した。しかし住宅分野での需要と供給が均衡の取れた形で伸びなかったため、買い手市場が刺激され、住宅価格の上昇を招いた」。

 同報告書は続きの中で、「建築資材の価格指標も、ここ2年間で顕著な上昇を見せ、住宅の建築コストの増大を引き起こした」とし、さらに、「大量低コスト生産による住宅の供給や住宅部門への投資の増大を指向するような経済政策が、十分考慮されてこなかった。また、住宅市場に関する経済政策に一貫性がなく、一時的な気まぐれに影響され、長期的な計画が遵守されてこなかったようにも見受けられる」とも指摘した。

 その上で、報告書は次のように論じている。「経済政策を担う人々が、国が抱える一時的なコスト上のプレッシャーに直面して巨視的で長期的な視点を持たなかったこと、そしてその他の一部問題を優先したことなども、住宅部門への投資が見過ごされる要因となってきた」。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら
関連記事(経済の専門家ら、来年度の利率引き上げを提言)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:13645 )