Fikret Bila コラム:タクスィム防衛戦!
2008年05月02日付 Milliyet 紙

国によっては5月1日は休日だったので、昨日アンカラでは大使館の多くが閉まっていた。フランスでは労働者たちがエリゼー宮にいた。彼らはサルコジ大統領に招待され、5月1日を一緒になって祝ったのだった。
クロアチアのイーヴォ・サハデル[原文ママ。正しくはSanader(サナデル)。]首相は労働者と共に行進した。スロヴェニアのヤネス・ヤンシャ首相もまたしかり・・・。
中国で、日本で、ロシアで、そしてヨーロッパ諸国で、労働者は5月1日をさもバイラムでもあるかのように祝った。色とりどりの行進が行われたのだ。

■アンカラの広場は開放された・・・。
タンドアン広場には、トルコ真の労働組合連盟(Hak-Is)がいた。公正発展党(AKP)はトルコ真の労働組合連盟をひいきしたのだった。副党首を筆頭に公正発展党の国会議員たちは、タンドアン広場にいたのである。演壇ではイスラーム風スカーフを身につけた労働者たちが演説していた・・・。
トルコ労働組合連盟(Turk-Is)はというと、スヒイェ広場にいた。トルコ労働組合連盟系の労働者たちは、オペラ座から行進して広場に集結したのである。スヒイェ橋のたもとに設けられたチェックポイントでは、イスタンブルでのそれと似たような状況になった。警察は広場へ入ろうとするクループに対して催涙ガスと警棒をもって介入した。
[アンカラの]タンドアン広場はトルコ真の労働者組合連連盟向けに開放されたが、[イスタンブルの]タクスィム広場がトルコ革命労働組合連盟(DİSK)、公務員組合連盟(KESK)、トルコ労働組合連盟に関係する各労働組合に開放されることはなかった。
政権は、全力をあげて「タクスィム防衛戦」を行ったのだ。

■労組首脳たちの良識
治安部隊の強硬な介入にもかかわらず、各労組の首脳たちは、彼らが良識ある対応に長けていることを示した。仮に、流血沙汰がなかったのだとすれば、そこに彼ら首脳たちが果たした貢献は大きい。明らかに、ここ数日間事態が緊迫の度を増しているにもかかわらず、イスタンブルが5月1を血を見ることなくやり過ごしたことは、歓迎されるべき状況である。
トルコ革命労働組合連盟のスレイマン・チェレビー代表と公務員組合連盟のイスマイル・ハック・トンブル代表が、いくら高くつこうとも、彼らがタクスィムへ入場するかわりに、意図を込めた談話によって、式典に幕を引かせ、労働者に解散するよう呼びかけたことは、高く評価されるべき行動だった。
トルコ労働組合連盟はもとより強硬派ではなく、タクスィム広場へ入場する予定はないとの声明を発表していたのだった。
トルコ革命労働組合連盟と公務員組合連盟のほうは、抗議の意を込めてタクスィム広場へ入場せず、代表だけが広場に入るのを受け入れなかった。

■広場防衛作戦
政権の態度は、さながら戦争において砦を防衛するかのようだった。タクスィム広場と広場につながる道路を朝早くに包囲下においた治安部隊は一羽の鳥さえ羽ばたかせなかった[蟻一匹さえ見逃さなかった]。労働者には集会さえ許さず、強硬に介入し、所構わず警棒と催涙ガスを使用した。小規模グループに対してさえ極めて暴力的な介入手段に訴えながら、「広場防衛作戦」を遂行し、塗料入りの水を放水して、グループを解散させた。

■彼らはタクスィム広場を解放した!
人の子ならこう問わずにはいられない:
タンドアン広場をトルコ真の労働組合連盟に開放しておきながら、タクスィム広場をどうしてトルコ革命労働組合連盟と公務員組合連盟には開放なさらないのですか?もしや、労働者までをも「我々の側にいる労働者」と「我々の側にいない労働者」とに、二分なさろうというおつもりか?

■まるで非常事態のよう
イスタンブルに昨日映し出された光景は普通のものではない。イスタンブルの街角は、まるで非常事態、戒厳令が布かれているかのようだった・・・。
治安部隊が労働者たちを追いかけまわしていた。もちろん、治安部隊の隊員個人に罪はない。責任があるのは、それを命じた方々、彼ら[治安部隊]に「占領勢力」に対して決戦が行われているかのごとく指令を下しまくった方々だ。
政権はメーデーに良い成績をとれなかった。
トルコ革命労働組合連盟のスレイマン・チェレビー代表の言葉に従えば、「彼らは、彼ら自身[公正発展党]にだけ、スカーフをしているものにだけ、民主主義者だ」というイメージを与えたのである。

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( 翻訳者:長岡大輔 )
( 記事ID:13720 )