Ali Bulac コラム:トルコは保守化しているのか? ― 「保守性」の3分類
2008年05月14日付 Zaman 紙

最近、巷に投げ掛けられた1つの問いへの答え探しが行われている:「トルコは保守化しているのか?」という問いである。本来、この問いを投げ掛けた人々が問いたかったのは次のことである:「トルコは信仰深くなっているのか?」。より急進的な人々は、「反動が強まっているのか?トルコは過去に向かって進んでいるのか?」と問うている。

何であれ、「意図を読む」ことを脇に置いておいて、社会学が我々にもたらした成果の中からこの問いへの答えを探し出すことに努めよう。このためには、手元には使いやすい概念的な枠組みがなければならない。つまりどのキーワードに基づいて「トルコが保守化しているか否か」を決めればよいのか?

私の考えでは、ある社会がいかなる水準で保守的な態度の中にいるかを理解するためには、我々が選ぶキーワードは「変化」でなければならない。換言すれば、ある社会で影響力を持つグループとアクターが生じ続ける変化に対して身に付ける態度が保守性の ―同時に変化のパラメータや、改革、革命などについての― 尺度や程度について我々にアイディアを与えてくれるかもしれない。

ただし、多くの社会学者とは考えを異にする点が1つある:保守性は(社会で影響力のある)いずれかの社会的グループやアクターのわずか1つの態度の過ぎない。他のグループやアクターにも変化に対してそれ独自の態度があるはずだ。こうした枠組みの中で、変化に対して3つの異なる社会的グループやアクターの態度があり得ると言っておく必要がある。

第1の分類は、宗教をパラダイムのレベルにおいて、すなわち社会生活や文化、精神世界を変える力として、道を指し示す地図として、また理解の枠組みとして認識しているグループとアクターである。ここで言う宗教とは、社会生活、あるいは文化の一部分ではない。宗教が社会生活の一現象に矮小化されること、またデュルケムの言説が「(宗教は)文化の一部」だとみなされることもまた、国民国家の迷信である。ここでの宗教は、何かを作り出し、変化や変革を引き起こすパラダイムに相当するものとして取り上げられている。この意味で宗教的思想と宗教生活を拠り所とするグループやアクターは、「変化を不可避かつ当然で、場合によっては利益がある」と考えているが、この分類に含まれる人々の人間性は「保守」ではなく「変化志向、改革志向、または革命的」である。宗教の中に留まって変化を見通す者たちは、信仰の基盤や道徳的/法的価値を不変の条件として認め、他のどの領域における変化にも開いた姿勢を取る。信仰の基盤は例えば「六信五行」であり、法的な不変の価値は例えば「生命、宗教、財産、知性、子孫の保護」である。

第2のグループとアクターは保守主義者である。保守主義者は、不意に起こる性急で破壊的な変化に反対する。変化が自分たちのコントロール下に置かれることを求める。これは、彼らが重視する「高度に道徳的な、あるいは不変の条件と考えられている価値」のためではなく、突然の変化によって手の内から失われるのを恐れている権力のためにこうした態度を取るのだ。コントロールされた変化は彼らに権力をもたらす。例えば今日、1つの不平等があって、今ある権力がこの上に立っているなら、そのうち起こるゆっくりとした変化は、今ある不平等をそのままにし、新しい形で(不平等を)生み出し続けるはずだ。保守主義者には、宗教的な思想を拠り所にする人々とは異なり、時に逆らって守っているいかなる不変の価値もない。コントロール下にある限り何でも変わってもよいが、唯一、(彼らの)社会文化的、経済的、あるいは政治的権力が脅威にさらされてはならない。「社会的中心」からやって来て「官僚的中心」の権力を問う者は、「もし一般大衆を仲立ちとする」なら、簡単に保守主義者のアイデンティティを身にまとう。なぜなら彼らの目的は、根本的な改革を行うことではなく、権力を分け持つことだからである。

第3のグループに属するのは「現状維持派」である。現状維持派は、明日を伝える変化にも、後戻りにも反対である。現状維持派にとって好ましいのは、理想的であるものであり、完璧さを備えているものであり、安全第一の人のように変化から守られていることである。後戻りすること、つまり今手中に収めているものにおいていくつかの見直しがなされる必要があるなら、伝統や過去、そして歴史的価値にも反対する。現状維持派は、保守主義者とは異なり、「変化の扉を一度開けたなら、今ある権力をいかなる形でも守ることは不可能だ」と考える。要するに方法と態度が異なってはいても、保守主義者と現状維持派の間の共通分母は権力である。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:13824 )