両性具有の若者、ディーエが用意できずいまだ刑務所に収監:刑期終了にも拘わらず
2008年05月13日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー:ミートラー・ハルアトバリー】自身の身を守るために別の少年に障害を負わせた両性具有の若者が、資金的困難からディーエ〔※注1〕の支払いができないという理由のみによって、刑務所に収監された状態で日々を過ごしている。

 彼は現在、エヴィーン刑務所での10ヶ月間の禁固刑を終えたところであるが、障害を負わせたことに対する被害者へのディーエ支払いの資金を確保するために、人々に支援を求めている。

 それと同時に、この20才の若者はエヴィーン刑務所の男性用の監房に収容されており、自身が抱える性的な困難のために、極めて不適切な状態に置かれている。この若者は両性具有であり、そのため、現在エヴィーン刑務所の男性用の監房に収容されることは、この若者にとって過酷な状態を強いることになるのである。

 この20才の若者は「メフディー」という名で、〔両性具有という〕この望みもしない状況のために家族からすらも家を追い出されていた。彼はこれより前、ある少年に障害を負わせたことが原因で、テヘラン一般裁判所第1088法廷にて裁判長よりタアズィール刑〔※注2〕による禁固2年と、障害を負わせたことに対するディーエの支払いを命じられていた。

 事件は次のように始まった。数年前より家族のもとを追い出されていたメフディーは、1385年デイ月中旬〔2007年1月上旬頃〕にある家を賃借するようになったが、家賃の支払いが滞りがちであった。彼はしばらくして2人の若者と知りいになり、生活するための場所を借りられるように、彼らに金銭的援助を願った。

 これに対しこの若者たちもメフディーに援助を約束し、彼に対して彼ら一緒に自宅に来るよう要求した。そうすれば、その場でメフディーが必要としている資金を貸すという約束だった。

 メフディーは、モハンマドとモルダザーというこの二人の若者が彼の置かれた状況をいいことに、彼を辱めようとしていることを悟った。この若者2人は家のドアに鍵をかけ、メフディーを性的に辱めようとしたため、この両性具有の若者は自らの身を守るために、彼らともみ合いになった。

 メフディーはこの2人の若者を脅してこの家から逃げようと、机の上においてあった果物ナイフを手に取った。こうにすれば二人の若者から逃れられるとメフディーは考えたのだ。ところが彼らはメフディーへのイタズラを止めようとせず、家に閉じこめたままにしようとした。そしてついに、彼らともみ合いになっていたときに、メフディーは果物ナイフを彼らのうちの1人の目に振り下ろしてしまったのである。

 このことが原因で、若者の一人は目に障害を負い、彼の訴えによってメフディーは拘束された。その後、本年ティール月26日〔昨年ティール月26日の誤りと思われる。2007年7月17日〕テヘラン一般裁判所第1088法廷にて、彼の裁判が行われた。

〔中略〕

 裁判当日、メフディーの弁論にも関わらず、テヘラン一般裁判所第1088法廷の裁判官は、彼の情状を酌量することなく、被害者の若者の訴えに基づき障害を負わせた罪で、メフディーに対してタアジィール刑による禁固2年とディーエ支払いを命じた。無論、この判決は後に10ヶ月の禁固刑とディーエ支払いに軽減されている。

 この件について、エッテマーデ・メッリー紙に対して、メフディーの弁護を務めた弁護士は次のように語った。「メフディーは罪を犯す意図は全くなかった。たとえあの時、あの場所で果物ナイフを使ったとしても、事件当日誰かに危害を加えるつもりもなかった」。

同弁護士はさらに次のように続ける。「刑務所内でメフディーが置かれた状況は極めて不適切だ。メフディーと同じ刑務所でともに服役している服役囚数名が私に言うには、メフディーは監房内で極めて悪い状況に置かれており、出所が望ましいとのことである。メフディーは男性用の監房に収容されるべきでも、女性用の監房に収容されるべきでもない」。

〔後略〕



注1:ディーエとは被害者が被った身体的損害に対して、加害者より支払われる償いの代金のこと。

注2:タアズィール刑とはイスラーム刑法に定められていない諸々の罪に対して、裁判官が自身の裁量で決定できる刑罰のこと。

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( 翻訳者:大場麻子 )
( 記事ID:13853 )