アニメ「子どもと占領者」、アラブ諸国でも放映へ
2008年05月14日付 Jam-e Jam 紙


【メディア部】普段、ある特定の種類のアニメを見て、それと関係を築き、楽しむことに慣れてしまっている私たちであるが、時には、普通とは違った形の、新鮮で魅力的な作品に出会うこともある。

 アニメシリーズ「子どもと占領者」は、そんな作品の一つである。この作品ではある種の時事的な問題が扱われており、そのため国内外の多くの視聴者たちと接触することのできる作品となっている。このアニメは、コンピュータによる3D技術を使って作られたシュールなコメディで、アクションの要素を取り入れることによって、他にはない魅力が加えられている。

 13話から構成されたこの作品の最新シリーズは、パレスチナ人の子どもとその末の妹が一人のイスラエル兵に出会い、そのイスラエル兵が2人に対し面倒を起こすという設定を軸に、さまざまな話を展開している。

 このアニメの企画担当者ダーリユーシュ・ダールヴァンド氏の話によると、このアニメシリーズの最大の特徴は、上下の動きの多い視覚的な効果と、さまざまなシンボルの活用である。この作品には台詞がないため、シンボルや記号を多く用いた画像によってのみ、視聴者との関係を築いていくことが試みられているのである。

 アニメシリーズ「子どもと占領者」は一話が2分から4分間で、国際チャンネル「サハル」(=夜明け)での放映用に制作された。残りの52話も、今年中に制作が終わる予定である。

 シリーズ「子どもと占領者」は、今までトルコとシリアで放送されていたが、これからは他の国々のテレビでも放送されることになっている。

 シリーズ「子どもと占領者」制作のアイデアは、サハル・チャンネルの代表であるモルテザー・シャムスィー氏によって提案され、クールーシュ・バルゼギャル氏がその脚本作りに携わった。この作品の制作には、キヤーヌーシュ・ダールヴァンド氏(ディレクター)、ハミード・アールヴァーン(キャラクターデザイン、ストーリー構想)パリーサー・アブレチー、ファーテメ・ボルーマンド、マフディー・サーレミー、ハミード・アールヴァーン(以上アニメーション)、マフディー・サーレミー、パリーサー・アブレチー(画像合成)が参加した。

 シオニスト体制の犯罪に対する理解をムスリムの子供たちに深めてもらうこと、侵略者との対決に子どもたちを精神的に備えさせておくこと、国際社会の政治的なシンボルやマークに対する理解を子どもたちに深めてもらうことなどが、このアニメシリーズ制作の目的の一つであるという。

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( 翻訳者:黒野あゆみ )
( 記事ID:13855 )