Murat Yetkin コラム:民主市民党(DTP)はなぜ信用されないのか?
2008年05月18日付 Radikal 紙

最後に言うつもりのことを初めに言っておこう:
なぜならクルド労働者党(PKK)は、DTPを信用していないからだ。なぜならDTPの、国会の党派グループ長であるアフメト・チュルクの表現によれば「同じ基盤を分け合っている」PKKとの関係は一方通行だからだ。つまりDTPは、PKKの政治方針を離れたところでイニシアチブを取ることができない。軍事作戦で身動きの取れないPKKが、軍に攻撃を止めて欲しがっているとでも言うのだろうか?
DTPが「武器の使用を止めよキャンペーン」を始めていることは周知の通りだ。それならDTP内部の誰かが、もしかしたら支持者の要請、あるいはもしかしたら世論の影響によって、PKKは武力闘争を終結させなければならない、もはやこの方法で結果を得ることはできない、と言ったらどうなるだろうか?すぐにある場所から横やりが飛んできて、(上記のように)話した政治家は本来まず国が武器を放棄する必要があると言いたかったのだという風に「自己批判する」。
従ってDTPをトルコのクルド問題において(クルド側の)交渉相手にすることが、例えばアイルランドでアイルランド共和軍(IRA)と対話をする代わりに合法的な組織であるシン・フェイン党と話をすること、あるいはスペインのバスク地方でバスク祖国と自由(ETA)と対話をする代わりに合法的な組織であるエリバタスナと話をすることのような影響力を持たないだろうという考えが支配的だ。トルコにおいてのみならず、例えばイラクのクルド人の間でもこうした考えが広まっていると見られている。
つまりDTPと話をすることは(問題の)解決に何の貢献もしない。なぜならDTPにはこのような権限がないからだ。もしかしたらDTPの中でPKK路線を真に代表している要素があるかもしれないが、彼らもまた自分のポジションを即座に理解し、話の埒外に留まっている。
こうしたことを私は昨日DTPのチュルクと電話で話しているときに考えた。その前日、我々はエリザベス女王を歓迎する式典の席上で立ち話をしていた;(電話は)その続きであった。チュルクは、イラクのクルド人リーダーたちに対し、「トルコのクルド問題解決のために会議を開く考えを伝えた」と話していた。
チュルクによれば、会議を開くという考えに対し、イラクのクルド人たちは「それは役に立つ」と言ったらしいが、それだけだっだ。もちろん(会議を開くなら)今準備する必要があった。ヨーロッパの国のどこかになる可能性があった。
つまりDTPは、イラクのクルド人とともにあるヨーロッパの都市で話し合いの席に座り、トルコのクルド問題の解決に関する「ロードマップ」を出そうと考えていた。チュルクにこれまでに似たような多くの試みがあったが、結果が出なかったことを伝え、何が変わったのかを尋ねた。
チュルクは「違った過程にいるのだ」と答えた;「武器によって正当性を主張する時代は終わった」と。すぐに「国の立場からしても武力で解決を図るのは正しくない」と付け加えた。最初の言葉はもともと一時期イラク大統領(でクルド愛国同盟代表の)ジャラール・タラバーニーの用いていた表現であり、PKKを念頭に置いていた。
PKKがDTPをどれほど信用し、どれほど重要視するだろうか、まさにそのとき尋ねた。チュルクは「住民や、民主主義を重視しない考えはもちろん成功するはずがない」と答えた。DTPが政府や軍隊からクルド問題の解決において交渉相手とされない不満の根源はこれなのか?― チュルク「私はそのように考えていない」;「問題は政治家や政府が十分思い切って行動していないことにある」。

■代償を支払うのはPKK?

問題の別の側面には、PKKの将来も関係している。チュルクは、イラクのクルド人とトルコの間で進展した関係が「安全保障の領域に限定されない」という条件によって地域平和と住民の兄弟性に寄与するであろうとし、従って肯定的に受け止めていると言っている。
にもかかわらず昨今、基本的な協力分野である安全保障とそのターゲットはPKKなのだ。なぜならイラクのクルド人も、バルザーニにせよタラバーニーにせよ、トルコとの関係が進展しない唯一の障害がクルディスタン地域政府の領域におけるPKKの活動であると考えているからだ。
こうした状況の下、トルコとイラクのクルド人との関係改善の代償を、徐々により多くの打撃を受ける候補であるPKKは支払わないつもりだろうか?
チュルクは「もちろんPKKもこの過程において自らを見直す必要がある」と語った。「この問題でPKKに呼び掛けを行っている」。
そしてここで最初の話に戻る。PKKがDTPから来た呼び掛けを真摯に受け止めるようには全然見えないのだ。PKKが昨今、深刻な存立問題と直面していることは明らかだ。イラクの北は、巧みな文民・軍人外交の結果もたらされた協力関係によって、もはやPKKにとってかつてほど自由な避難場所や活動領域ではない。
他方でPKKは、(それが)作り上げた脅威について真剣に考える必要のある活動だ。今日スイッチをオフにするなら、脅威を生まないレベルにまで下火になるのにもしかしたら10年かかるかもしれない。アイルランドで、スペインで、平和的な解決策が取られたにもかかわらず民族的な根を持つ暴力活動は止んでいない。それならば、何をもたらすかはっきりしない交渉を頼みにするくらいなら、「フェイントを仕掛ける」勇敢さ以上の意味のある、真剣な一歩を踏み出すことが解決を早めるだろう。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:13877 )