ケシ栽培に代わるサフランの栽培、進まず――世界最大の麻薬生産地アフガニスタンの現状
2008年05月21日付 Jam-e Jam 紙
サフランの花。香辛料として用いられるのは、めしべを乾燥させたもの。
サフランの花。香辛料として用いられるのは、めしべを乾燥させたもの。

アフガニスタン西部では、近年、ケシ栽培に代わるサフランの栽培が、政府により奨励されている。しかし、サフランの生産者らは、必ずしも結果に満足してない。

ラジオBBCによれば、アフガニスタン政府高官は、ヘラートで栽培されたサフランが、品質検査により、世界的な水準に達していると確認されたと述べた。しかし、ヘラートの地方担当者がサフラン栽培の伸びに満足を表明しているのに対し、生産者らは、十分な市場がないことに不満を漏らしている。

(中略)

アフガニスタンは、世界最大のケシの生産地である。国連の統計によれば、世界の麻薬の90パーセントがアフガニスタン産のケシから製造されている。

軍司令官のイスマーイール・アフマディーモガッダムは、先頃、次のように発言した。
「昨年アフガニスタンにおいて、8,200トンの阿片が生産された。この数字は、今年さらに増加している。」

アメリカを中心とするアフガニスタン駐留軍は、同国駐留の理由のひとつを麻薬生産抑止のためとしている。それにもかかわらず、アフガニスタンにおける麻薬生産の増加が進行しているのである。

専門家らはこうした状況について、第一に、駐留軍が自ら掲げるスローガンに反して、ケシ栽培の抑制に関して何の措置もとっていないと指摘する。そして、第二に、アフガニスタンの経済状況がますます危機的になっていることが、高収入が得られるケシの栽培へと人々を駆り立てているのだと分析している。

(中略)

ヘラートの東10キロに位置するコフデスターン村でサフランを栽培するゴラーム・ファールーグ氏は、政府は、サフラン生産者の保護と奨励を十分に行っていないと述べ、次のように語った。「我々は、我々の損失を補い、我々が生産するサフランを買い上げてくれる相手をもたなければならない。

(中略)

アフガニスタンの東の隣国であるイランは、世界のサフラン主要生産国のひとつであり、アフガニスタンのサフラン生産者が必要とするサフランの球根も、イランから供給されている。

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( 翻訳者:前田君江 )
( 記事ID:13916 )