イラク情勢:前政権高官らの拘留の現状
2008年05月28日付 al-Quds al-Arabi紙

■ ターリク・アジーズにクルド殺戮の新たな容疑
■ バディーウ・アーリフ本紙に語る、サッダームの娘婿の釈放はアメリカが撤回

2008年05月28日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【アンマン:バッサーム・バダーリーン(本紙)】

イラク政界の大物ターリク・アジーズを拘束している当局は、昨日(27日)唐突に新たな容疑を加えた。アジーズ弁護人バディーウ・アーリフが本紙に述べたところによれば、バグダードの検察側がこれまでのものとは異なる全く新しい容疑でアジーズを告発した事を昨日知った。これは、マスウード・バルザーニー(クルド自治区大統領)につながるバルザーニー・グループ粛清の責任をアジーズに負わせるもので、同氏のより長期の拘留を保証する事となる。

バディーウは、アジーズに対する一連の手続きの性質が明らかになったとして、同人を拘束している側は、彼の殺害を試みている、あるいは拘束を続けようとしているが、どのような容疑で告発しても有罪にする事が困難であるので、より長期刑務所に留める口実を設けたとの見方を示した。

またバディーウ弁護士は、マーリキー政府の刑務所で前イラク政権のエリートらが直面している悲劇的状況を明かし、著名なイラク軍司令官でサッダーム・フサイン大統領夫人の実の兄弟でもあったハイラッラー・ティルファーフの長男ルウイ・ティルファーフは、裁判が行われないまま5年間拘束され続けた挙句クルド・グループ殺害容疑で告発されたが、その事件は1980年に遡るものであり当時被告は10歳の少年であったなど指摘した。

多数のサッダーム親族の弁護人でもあるバディーウによれば、故大統領の娘ハラーの夫ジャマール・ムスタファは8ヶ月前に釈放が見込まれていたにも関らず、米側は、イラク政府の圧力によりその決定を見直した。現イラク政権が、サッダーム時代に何ら統治組織との関りを持たなかったジャマール・ムスタファに対する容疑を捏造したためである。数ヶ月前米側は、ムスタファを国外で引き渡すべく家族に旅券の手配を要請しており、準備は整っていたが、その決定が突然撤回された。また、サッダームの兄弟、バルザーン・アル=ティクリーティの長男ムハンマドは、スイスで大学に通っていたところを拘束され、現在まで理由を明確にされないまま拘留中である。

拘留中に片目の視力を失った元通産相ムハンマド・マフディ・サーリフは、バディーウ・アーリフ弁護士を通じ、バグダードに来てもう片方を治療してくれるヨルダン人あるいはアラブ人医師を求むとのアピールを行った。治療を受けないままでは全盲となる可能性があり、重篤な病人は釈放すべしと規定するジュネーブ条約他の国際合意に反する事となる。元空軍司令官ムザーヒム・アッサアブも容疑が明らかにされないまま数年間拘留されている。ガージー・アル=ウバイディは赤十字の要請により釈放されたが、その一年後癌で死亡している。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


(翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:13939)