Taha Akyol コラム:盗聴はスキャンダル
2008年05月31日付 Milliyet 紙

共和人民党(CHP)のオンデル・サヴ幹事長、あるいは誰か別の人が電子機器によって盗聴されるとういうのは、スキャンダルだ!
しかしこのような事件が起こったのではなくて、「電話を切るのを忘れた」結果、幹事長の会話を聞いていたヴァキト紙がこれをニュースとして報道したとしら?!今回の共和人民党の「政府が盗聴を行っている」という主張がスキャンダルになる。この記事を書いている今、この推測を裏付けるようなニュースが入ってきている。まだ公式の確かな発表はないけれども…。

ヴァキト新聞社はオンデル・サヴ氏の携帯電話に電話をかけ、サヴ氏は電話機のボタンを間違えて押したか、切るのを忘れて、ボル県知事との会談を継続した。ヴァキト新聞社は、通話中になっている電話からこの会談の内容を聞いて報道したのだとしたら。そしてさらにこの通話記録がテレコム社の記録に残っているとしたら。

私たち誰もが受け取る電話の請求書から知っているように、いつ、どこで、何分間の通話をしたのかは明らかなのだ。
「スキャンダル」なのは、いったいどれなのか?政府あるいは警察が盗聴を行ったということなのか?それともオンデル・サヴ氏が、電話を切るのを忘れたという不注意を、「盗聴」と発表したことなのか?

■ どれがスキャンダルか?
この記事を書いている今、ヴァキト新聞社とサヴ氏の携帯電話のあいだで45分間続いた通話があったことを示すテレコム社の記録が見つかったというニュースが入ってきた。こういうことなのであれば、サヴ氏は電話を45分間切るのを忘れていたということだ!
これに対し、サヴ氏も弁護士を通じてトゥルクセル社から自分の携帯電話の通話記録を請求していた。
テレコム社とトゥルクセル社の通話記録が合致すれば、サヴ氏が携帯電話を切らずに忘れていたことが確実となり、共和人民党の「盗聴」説は完全に中身の無いものとなる。
ふたつの電話会社の通話記録が一致しなければ、より大きなスキャンダルとなる。
テレコム社の記録が示唆するように、サヴ氏が彼の不注意で世間に「盗聴」だと公表したのであれば、政府の疑いは晴れ、「スキャンダル」は共和人民党のものだということになる!もし共和人民党への「盗聴」がなく、オンデル・サヴ氏が彼の不注意を隠し、ここから政治的な利益を不当に得ようと「盗聴スキャンダル」と世論を誤解させたのであれば、本当の「スキャンダル」はこちらのほうだ。
では誰が辞職すべきだろうか。やはりそれはオンデル・サヴ氏だろう。

■ 調査は継続中
テレコム社とトゥルクセル社の通話記録によって、今回の事件はそれほど時間もかからずに明らかになりそうだが、問題は残ったままだ。
今回の件は、共和人民党寄り、または共和人民党を困難にする、どちらかのかたちで明らかになるだろう。しかし世論にある「盗聴されている」という恐怖は、なくならないだろう。なぜなら今回の事件とは関係なく、トルコで一般的な「電話の盗聴」そして「室内の盗聴」の不安があるし、そういった事例もあるからだ…。

 電話の盗聴や室内の盗聴が、テロ・組織犯罪との関連や、政治的なものやクーデターを目論む武装集団の監視においては、どうしても必要な「情報収集」ツールであることは否定できない。
 問題はこの情報収集技術が目的にあったかたちで利用され、弱点を克服し、法的な境界内にとどまらせることであり、こうすることによって社会における安心感を高め、また「盗聴されている」という恐怖を解消することである。すでに提出されている議会の調査定義書は、この目的に沿って続けられなければならない。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:13954 )