トルコ・ドイツ大学設立へ、ベルリンで調印式行われる
2008年05月31日付 Zaman 紙

トルコ・ドイツ関係に、これまでとは違う広がりをもたせると期待されるトルコ・ドイツ大学の設立協定が、30日、ベルリンで調印された。

イスタンブルに建設が計画されている大学の協定に、ドイツのフランク・ヴァルター・シュタインマイヤー外相、トルコのアリ・ババジャン外相、そしてドイツのアネッテ・シャヴァーン教育・研究相が署名した。

二国間の新たな橋渡し役をつとめることになるこの大学は、エルンスト・ロイター・イニシアティブの成果となる。エルンスト・ロイター・イニシアティブは、2006年9月に、ドイツのシュタインマイヤー外相とアブドゥッラー・ギュル外相(当時)によってその基礎固めが始められたものだ。調印式でスピーチをしたババジャン外相は、トルコ・ドイツ大学構想の生みの親がレジェプ・タイイプ・エルドアン首相であると述べた。

ドイツのシュタインマイヤー外相は、大学が二国間の橋渡し役を務めるとだろうと述べ、次のように語った。
「ドイツ・トルコ大学は、学生や研究者だけが相互に交流し近しくなるのではなく、同時に政治的、社会的分野での二国間の緊密な関係に対しても新しいシンボルとなるだろう」
シュタインマイヤー外相は、両国関係が「非常に緊密で良好」であると指摘し、ドイツがトルコと常に繋がりをもってきたと述べた。同相はババジャン外相に今回の件で果たした役割について礼を述べ、「私の同僚のババジャン外相は、アブドゥッラー・ギュル大統領と同様に、このプロジェクトにありあまるほどの関心を示してくださいました。ババジャンさん、あなたがいなかったらこのプロジェクトは実現しなかったでしょう。あなたがいなかったら官僚制度上の障害を乗り越えられなかったでしょう」という表現を使ったことで大喝さいを浴びた。シュタインマイヤー外相がトルコ語で「チョック・テシェッキュル・エデリム(どうもありがとうございます)」という表現を使用したことも、大きな拍手を浴びた。

ババジャン外相も、トルコとして大学プロジェクトに大きな幸せと誇りを感じていると語り、「トルコ・ドイツ大学プロジェクトは、二国が示した共通の政治的意思の成果です」と述べた。ババジャン外相は、「トルコとドイツの間には、極めて特別な歴史的で根本的な協働関係が存在します」と述べ、ドイツがトルコの最大の貿易相手であることも指摘した。同相は、「二国間における貿易額は220億ユーロです。トルコで投資しているドイツ企業の数はおよそ3000社です。ドイツで暮らすトルコ人の数はおよそ300万人。トルコに定住するドイツ人の数は7万人。ドイツからの昨年、トルコに来た観光客数は400万人以上です。ドイツで暮らすトルコ人雇用主の数は、およそ6万人です」と話した。

ババジャン氏はある質問に対して、大学の開校の日取りには触れなかったにも関らず、「プロジェクトが少しでも早く成果を得るために、出来る限りの努力をします」と述べた。ドイツのシャヴァーン教育・研究相は、ある新聞記者が大学の開校時期に関して、「2009年の春は、あなた方にとって現実的な日程ですか?」と質問したのに対し、「はい」と答えた。4つの学部と計画されている大学の開校には、両国の議会の承認が必要である。

ナチス・ドイツの時代、トルコへ亡命し、トルコでの生活を続けているエルンスト・ロイター氏の息子、エドザルド・ロイター氏もスピーチの中で、「トルコ・ドイツ大学プロジェクトの基礎構築は、75年前、ムスタファ・ケマル・アタテュルクがドイツ人をトルコに受け入れたことで始まったのです」と語った。この大学を「世界に比類なきプロジェクト」と定義したロイター氏は、同大学が全世界の若者にとって「灯台」のような役割を担うだろうと述べた。

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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:13956 )