だまされた「偽・ナショナルチーム」メンバーら、監督と名乗る詐欺師を訴える
2008年05月27日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】格闘技種目の偽ナショナルチームのメンバーらが、チームの「監督」と名乗っていた男を詐欺で訴えた。

 この偽チームのメンバー6人は、2008年2月21日、[テヘランの]ナーズィーアーバード第130警察署に通報し、6人のそれぞれが、日本への渡航のため1億1000-4000万リヤール(約126-160万円)を支払ったが、後になって騙されたことがわかったと説明した。

 この6人は、事件を説明する中で次のように語った。「自分たちはみな、この地区出身の人間で、しばらく前にアミールと名乗る男と知り合いになった。アミールは自分がレスリングのチャンピオンで、ある格闘技の連盟に友人がいると話した。また、それは特別なスタイルの格闘競技で、アミールは私たちをこの競技種目のナショナルチームメンバーとして、日本か中国に派遣しようと考えていると言った。」

 彼らはさらに、次のように続けた。「私たちはアミールの提示する条件を聞いたあと、それぞれネザーマーバードと[テヘラン南部の鉄道駅に近い]ジャヴァーディーエにある二つのクラブに行き、ハミードという人物と知り合った。ハミードも、自分はその競技種目の選考委員会の責任者であると説明した。周りには彼が指導しているという選手らがたくさんいたので、私たちは、その話をすっかり信じてしまった。」

 被害者である「偽・ナショナルチーム」メンバーらは、それぞれが、次のように訴えた。「アミールとハミードは、500万リヤール(約5万7000円)で、私たちを[ペルシア湾の]キーシュ島とカスピ海沿岸地方のトレーニング・キャンプに連れて行った。そこでは、写真撮影とインタビューのために、ジャーナリストだと名乗る人物らが、私たちのキャンプにやってきた。」

さらに、そのキャンプのあと、アミールは日本語が書かれたパスポートを6人のそれぞれに渡し、それぞれから1億1000-5000万リヤール(約126-172万円)を受け取り、出発日を告げたという。約束の日、6人がいくら待ってもアミールとハミードは現れず、彼らは警察署に訴え出た。

 この通報を受けて捜査が始まり、アミールは、4月20日に逮捕された。さらなる捜査で、彼がその地区のごろつきの一人であることが判明した。続いて、ハミード逮捕のための捜査も続けられ、彼は5月10日に逮捕された。

 二人の容疑者の取り調べで、詐欺の計画者、および、首謀者はアミールで、ハミードはアミールの友人で計画の一部を手伝っただけであることが明らかになった。さらに、二人の容疑者は、詐欺の被害者らは、彼ら自身も違法な行為を行ったことになるため、訴えを起こすことはないだろうと考えていたことも判明した。

 現在この事件は、テヘラン警察刑事捜査第14課の管轄に置かれているが、捜査班は、同一容疑者らによると思われる類似事件の捜査を行っている。

 

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( 翻訳者:米沢佳奈 )
( 記事ID:13961 )