火葬希望者は多いが、火葬場はなし レイラ・ゲンジェルさん散骨希望で見えたきたもの
2008年05月14日付 Milliyet 紙

オペラ歌手のレイラ・ゲンジェルさんが火葬にされ、その遺灰をイスタンブルのボスフォラス海峡に撒いてほしいと遺言したことで、トルコで多くの人々が遺体の火葬を望んでいることが明らかとなった。

オペラ歌手のレイラ・ゲンジェルさんが火葬にされ遺灰をイスタンブルのボスフォラス海峡にまくと遺言したことは、トルコで多数の人たちが遺体を火葬したいと望んでいるが、火葬場がないためにこれを実現できないでいることを明らかにした。イスタンブル広域市墓地管理局は、高い要望が寄せられれば、この問題を検討すること、そして「衛生法」により「火葬炉」を建設することが可能であると発表した。

ヨーロッパ葬送事業連盟理事会の理事であり、アンタリヤで家族と設立したフェンパという会社で葬儀と搬送事業を行っているムラト・アルスランオール氏は、長年、火葬場問題で奮闘している。
アルスランオール氏は、トルコ人や観光客に対し、葬儀・搬送事業を行っている会社に遺体を火葬にする多数の要望が寄せられているが、法的障害がないにもかかわらず、これを実現できずにいることを明かした。さらに同氏は、権限があるにも関らず、自治体がこれに関心を示そうとしないと主張した。

アルスランオール氏は「火葬場を設立する費用は、約100万ドルに達します。これを実現できるのは自治体だけです。毎年約700人に対 し、葬儀事業を行っています。そしてこのうちの3~4%が火葬を希望しています。アンタリヤで生活する外国人も火葬をしてもらえないことに不満をもっています」 と話した。

■遺体は宝石に

アルスランオール氏によれば、火葬における最近の流行は、遺灰で宝石指輪をつくることだ。火葬処理後に残った遺灰のうち40グラムを、実験室の中で3ヶ月以内にダイヤモンドや宝石の状態にし、それを装飾品として使うことが出来る。ここ数年、旧式の火葬炉の代わり、電気式火葬炉が増えてきているが、850度で火葬されると約400グラムの灰が残る。火葬炉の高コストはフィルターシステムの価格が原因となっている。

■広域市:需要次第

イスタンブル墓地管理局はこの件に関して、以下の説明を行なった。

「公衆衛生法」によれば、自治体は保健省の許可の下で火葬炉を建設することができる。ひとつの遺体が火葬炉で火葬されるためには、死亡理由が特殊なものでないことを示す医師の診断書、遺体を火葬するという本人が生前に残した遺書、あるいは最低でも3人がこの状況を口頭で確認していること、そしてその死亡が法的事件に関連していないことを証明する警察の文書が準備される必要がある。遺灰は特別な入れ物に納められ、墓地内で保管される。これまでに火葬申請をした人はいないが、高い要望が寄せられれば検討されるだろう。

■火葬は宗教に反しない

宗務庁の宗教高等機構の委員、サーイム・イェプレム教授は、遺体を火葬するようにという指示がイスラームという宗教の中にはないと述べ、このためムスリムを火葬することは出来ないと述べた。
その一方で遺体の火葬は、当人が宗教の道からはずれるという意味を持つことにはならないとも述べ、ムスリムであることは生誕と死の間にあるプロセスであり、死後に遺体が火葬されることがこれに影響を及ぼすことはできないと加えた。

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( 翻訳者:原田星来、小川玲奈 )
( 記事ID:14002 )