世界子どもデーに振り返るイラクの子ども達の苦境
2008年06月02日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ イラクの子どもたち:切迫した危険と長引く苦しみ、より良い未来への展望

2008年06月02日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

今年もイラクの子どもたちに国際子どもデーが訪れたが、彼らは治安状態の悪化がもたらした終わりなき苦しみと大きな危険の中で生活している。イラクにおける治安状況の悪化は孤児や学校からドロップアウトする子供たちの率を増加させ、身体的・性的虐待などのあらゆる脅威にさらされる子どもが増え続けている。

こうしたことは公的または非公的な諸機関が発している警告の内容と合致する。そうした機関によればイラクにおける孤児の数は500万人に達しており、そのうちほとんどの子供たちが厳しい状況下で生活している。また小学校の就学年齢にあたる国内外に避難した子ども22万人のうち3分の1は2008年度中に勉強を続けることが不可能であり、さらに76万人はそもそも小学校に登録すらしていない。

非政府団体による報告が指摘するところによると、軍事行動の結果、避難を余儀なくされた子どもたちの率は増加しつつあり、民兵や武装グループの暴力行為や脅威によって国内、あるいは近隣諸国に避難した子どもたちの数は月平均で2万5000人に達している。

計画・開発協力省が発表した統計によると、イラクの孤児の数は400~500万人、そのうち50万人は路上で生活を送っている。この統計は孤児の保護に充てられている政府機関の活動不足を明らかにしており、何百万人にもおよぶこうした孤児やストリートチルドレンのうち国の孤児院に収容されているのは459人に過ぎないという。また労働・社会問題省の報告は上記の事実に加え、イラク人孤児たちがアメリカやイラクの刑務所に収容されていることを確認した。

(中略)

 イラクの子どもたちは国内の暴力行為によって精神的影響に苦しめられている上に、脆弱で時代遅れな教育システムによって、児童の教育とその個人的能力の向上という分野において世界で実現されてきた進歩から取り残されていると、多くの専門家たちが指摘している。

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( 翻訳者:根田文佳 )
( 記事ID:14037 )