物価上昇、消費者の心理的圧迫が一因
2008年06月10日付 Jam-e Jam 紙

人々が食糧の買い溜めに走ることが、物価上昇を招くひとつの要因になっていると経済専門家らは見ている。

【経済部】なぜ現在、消費者は実際に必要な量よりもはるかに多く商品を買い溜めするのだろうか。なぜ1キロで十分な砂糖を10キロも買うのか。なぜ3パックで事足りる洗濯用洗剤を箱買いするのか。‥‥消費者の時に性急な行動が、心理的雰囲気を煽り、物価上昇を招く最近の状況に影響を及ぼしてはいないだろうか。

 本紙ジャーメ・ジャムの記者の報告によると、経済の専門家らはこのような消費者たちの行動にインフレ拡大の原因の一つがあると見ているようだ。特にイラン経済を取り巻く現在の状況においては、「インフレ予測」が物価上昇に相応の影響を与えているというのだ。

 簡単に定義すると、「インフレ予測」とは商品の買い溜めへと向かう虚偽の欲求のことであると言える。このような状況では、経済的、社会的、文化的、そして生活保障上の理由から、将来に対する悲観的・懐疑的なイメージが人々の心に芽生えることになる。つまり、人々は将来必要な商品が足りなくなる、たとえ足りたとしても現在と比べて商品価格が大幅に上がると予想し、それに備えて、今のうちになるべく多くの商品を購入するのが自分や家族にとって得策だと考えて、家計的に得をするためにも、また食料や薬、衛生用品といった必需品を必要な分、手元に確保しているという心理的安心感を得るためにも、商品を大量に買い込む行動に出るのである。

 このような行動が、国内市場において商品が一時的、または恒常的に不足したり、嘘のように商品価格が跳ね上がったり、価格が高止まりしたりする原因となるのは明らかである。経済の専門家たちは、ここ最近人々を襲っているインフレの構造を指摘した上で、その他の要因とともに「インフレ予測」を価格の持続的上昇の一つの原因であるとして、このような「予測」を矯正することが必要だと強調している。

〔後略〕

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( 翻訳者:綿引香緒里 )
( 記事ID:14057 )