治安維持軍兵士16人、誘拐される:テロ集団「ジョンドッラー」幹部引渡しの報復か?
2008年06月15日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】情報筋によれば、テロリスト集団「ジョンドッラー」(=神の兵士)幹部メンバーの一人が、イラン=パキスタン間の安全保障協定により、イラン当局に引き渡された。

 アブドルハミード・リーギーという名のこの男は、ここ数年の間に、スィースターン・バルーチスターン州で約100人を殺傷した、同テロ集団リーダーの兄弟である。

 アブドルハミードは昨年からパキスタンのバルーチスターン州中央クエッタ刑務所に収監されていた。「ジョンドッラー」の他の15人のメンバーも一緒であり、彼は、自分をパキスタン国籍であると偽っていた。しかし、在イスラマバード・イラン大使館や情報省、外務省の尽力により、ついに昨日朝(6月14日朝)イスラマバード空港で我が国の当局者に身柄の引き渡しが行われた。

(中略)
 先にパキスタンは、アブドルマーレク・リーギー率いるテロ集団「ジョンドッラー」メンバー(それには、リーギーの兄弟、アブドルハミードも含まれる)の身柄を拘束した場合には、イラン側に引き渡すことを約束していた。今回の引渡しは、同協定に基づき、実現したものである。

 「ジョンドッラー」の幹部メンバー、アブドルハミードは、昨日の朝(6月14日土曜日)イラン側に引き渡されたが、この前夜にあたる金曜日(6月13日)深夜には、NAJA(イラン・イスラーム共和国治安維持軍)の兵士16名がサラーヴァーン[スィースターン・バルーチスターン州の都市]付近で誘拐されるという事件が起きている。この人質誘拐をめぐっては、「ジョンドッラー」とも関係のある国際麻薬密輸組織と関わりをもつ治安攪乱分子らの関与の可能性が報じられている。

「ジョンドッラー」幹部引渡しと相前後して人質誘拐事件が起きたことを考えると、同事件にジョンドッラーが関与した可能性は高いと考えられる。

 昨日、スィースターン・バルーチスターン州治安維持軍副司令官アフマド・ターヘリー大佐は、ISNAとのインタビューの中で次のように語った。「国境警備や、武装した治安攪乱分子および密輸組織に対する断固とした取り締まり、および、大量の麻薬の押収といった、最近のNAJAの活動の成功を受けて、国際的な犯罪組織とつながりのある集団が、国の治安を悪化させ、国内の様々な地域で不安定要因を作り出そうと躍起になっているのだ。」

 同大佐は、NAJA兵士16名の誘拐人質事件を、海外諜報機関とつながりのある治安攪乱分子の直接的な関与によるものと考えていると述べ、「16人は、待ち伏せされ不意打ちを受けて人質にとられた。うち5人は職業軍人で、11人は徴集兵である。彼らは夜中の2時に誘拐され、3時間後パキスタンに連れて行かれた」と語った。

(後略)

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( 翻訳者:米沢佳奈 )
( 記事ID:14117 )