「盗み・強奪は我が一族の誇り」:警官になりすまして盗みを働いていたフォユージ族の窃盗団、逮捕される
2008年06月15日付 E'temad-e Melli 紙

「我が一族の長たちは、道に反したこと以外、子供らには何も伝えてこなかった。盗みや強奪は、我が一族の誇りである」。これは、警官になりすまして一億トマーン〔約1200万円〕を強奪した容疑で逮捕された者の供述の一部である。

 今回逮捕された2人の容疑者は、国際窃盗団「フォユージ」の一味であり、銀行の顧客らの中から獲物となる人物を見定めた後、警察官になりすまして犯罪計画を実行していた。
〔訳注:「フォユージ」もしくは「フィユージ」は、イランにいるいわゆる「ジプシー」の一部を指すことば〕

 あるプロの窃盗団が銀行に通う顧客の前に立ちはだかり、警察官を名乗って身体検査や車内検査を行うと称しては、現金や小切手を盗んで逃走するという手口での盗みがシャフリヤール県で増加していることを受け、一味の逮捕へ向けた捜査が開始された。

 盗みはどれも同一の手口で行なわれており、犯人らは盗みを働く際に「ザンティア」といった高級車やプジョー車を用いていることから、窃盗団はフォユージ一族である可能性が強まり、フォユージ族のたまり場となっている場所すべてを監視下に置くことになった。

 容疑者の似顔絵を活用した捜査を行った結果、窃盗団の一味2名が銀行の顧客たちの中から獲物を見定めて盗みを行おうと、銀行の向かいに停めてあった「プライド」車の中から見張っていたところを捜査官らが発見、30分間にわたる追跡・逃走劇の末、同二名を逮捕した。

 シャフリヤール県の警察署長モハンマド・ホセイン・キャリーミー大佐は、この件について次のように語る。「今回逮捕された容疑者2名はシャープール、ならびにターヘルという名で、彼らは供述の中で、自分たちは5名から成る窃盗団のメンバーで、約2ヶ月前から同様の手口で窃盗・強奪を繰り返し、これまでおよそ一億トマーンを盗んだ、と語っている〔‥‥中略‥‥〕」。

 今回逮捕された容疑者らは、これまでにも警官になりすましての窃盗や追いはぎ、偽造などの犯罪をイランの国内外で繰り返してきた。

 「なぜこれまで何度も逮捕されては刑務所暮らしに耐えてきたにもかかわらず、再度同じような犯罪に手を染めるのか」との問いに対し、彼らはこう答えている。「盗みや強奪は我が一族の誇りである。先祖代々、このような方法で生計をたてるよう教わっている。なぜなら、我が一族の長たちは、道に反したこと以外、子供らには何も伝えてこなかったからだ」。

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( 翻訳者:阿部文美 )
( 記事ID:14139 )