Mehmet Ali Birand コラム:まだ正気に戻れていない・・・
2008年06月28日付 Milliyet 紙

また元の病気がぶり返した。

国際メディアは私たちを褒め、外国の専門家たちは、我々がどれほど成功者であるか書き立てたと、すべて忘れてしまいそうである。自尊心がくすぐられ、外国人から3回拍手を受けたと、チャンスを逸したのをもう忘れてしまったとばかりに…。 彼らは我々の背中を少し撫でて慰めてくれたと、カップを他人に手渡したのを問う者はいない。

親愛なる読者たちよ、
本当だ、我々は良いプレーをした、我々は素晴らしかった云々…。 でも忘れてはならない、本来の目的はカップを獲得することだ。拍手に包まれて、負けてうなだれて家に帰ることじゃない。そもそも、我々ほど敗者を勝者のように紹介する社会を、他に知らない。

スイス、チェコ、クロアチアの新聞を調べてみた。どれ一つとして「負けたけれど、世界は我々に驚嘆」、または「納得、このような敗北に」というような見出しはない。敗者は、それで終わりなのだ。

誤解しないでほしい、ナショナル・チームのパフォーマンスを悪く言いたいのではない。ただ、もう、これ程の褒め言葉は恐らく少し過剰なのだろう。また度を越していると感じられる。

本当のところ、まだ正気に戻れていない。
皆さんがこのコラムを読んでいるころ、私は今度はウィーンにいるだろう。コカ・コーラの招待客として決勝戦を観戦する。トルコを見たいのに、今となっては他の国々を観るのだ。

世界のメディアで試合に関する解説を読んでいるうちに、我々が何を逃したのかを、より良く理解した。そのため未だに眠気が来ない。

(準決勝に残ったと)喜びたい者は有頂天になるがいい、だが私はナショナル・チームのために残念な思いでいる。カップを掲げることができそうだったのに、結局負けたのである…。

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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:14176 )