南キプロス政府、「死んでもトルコの水は飲まない」そうで…
2008年06月29日付 Hurriyet 紙

南キプロス政府は、北キプロス・トルコ共和国が提案した平和の水プロジェクトの枠組みで、年間2500万立方メートルの水を提供するという提案を水不足が限界に達しているにも関らず拒否した。そして1000キロメートル離れたギリシャからタンカーで水を運搬することを決定した。ギリシャ系政府のスポークスマン、ステファノス・ステファヌ氏は、「キプロス問題が続く限り、水を貰うことはできない」と説明した。

南キプロス政府のミハリス・ポリニキス農相とギリシャのヨルゴズ・スフリアス公共事業相が一昨日(27日)、アテネで署名した協定によると、ギリシャは12月まで1日につき平均4万トン、合計800万トンの水を船で南キプロスに送る予定だ。水を運ぶ最初のタンカーは、明日(30日)ラルナカを訪れ、ポリニキス農相も参加する式典で迎えられる予定だ。式典ではこの地域の大司教、ニコラオス氏がタンカーに祝福を授ける。ギリシャ系住民はギリシャの水1トンにつき、 輸送コストに加えて67セントを支払うことになる。

北キプロスは、2ヶ月前にキプロス問題の解決方法を見つける目的で構成された専門委員会で、キプロス島にトルコから海中に設置されるパイプで送られる水を共有することを提案した。しかし南キプロス政府のスポークスマン、ステファノス・ステファヌ氏は、「キプロス問題が続く限りトルコから水を貰うことはできない」と述べ、年間に2500万立方メートルの「トルコの水」を断った。

■世紀のプロジェクト

アラルコ・ホールディングスのイスハク・アラトン会長とともに設立者のウゼイル・ガリフ氏が1995年に提案した平和の水プロジェクトは、海中にパイプラインで、まずは北キプロスに、その後はイスラエルに水を送ることを計画していた。

2001年に亡くなったウゼイル・ガリフ氏が建築計画を手掛けた世紀のプロジェクトの建設は、2007年1月に国家水道総局との間で調印された協定により始まった。総工費3億ドルで計画されているプロジェクトでは、平均水深1650メートルである地中海の250メートルの海中にぶら下げられる形で備え付けられるパイプで、アンタリヤのドラゴン川の水が北キプロスに送られる。北キプロスとトルコの間に海底で78キロメートルのパイプラインが建設され、そして年間7500万立方メートルの水がキプロス島に達する予定だ。

南キプロス政府は、先月にも海水浄水施設の入札を落札したイスラエルの会社を、「北キプロスでも浄水施設を建設している」という理由で拒否したばかりだ。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:14182 )