イスラエル、イラン大統領のトルコ訪問に抗議
2008年08月10日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】トルコ政府は、イラン大統領のトルコ訪問にイスラエルが抗議していることに対し、イランは友好的な隣国であると強調しつつ、アフマディーネジャード大統領のトルコ訪問は国際社会及びトルコにとって重要であるとした。

 イスラエルは、モルダード月24日木曜日(8月14日)に予定されているマフムード・アフマディーネジャード大統領のトルコ訪問を直前に控え、トルコ政府に対して抗議した。また、駐トルコ・イスラエル大使も、「イスラエル政府の深い遺憾の意」を伝える書簡をトルコ外務省当局に手交した。

 ナームク・タン駐イスラエル・トルコ大使がイスラエル外務省に召喚された一方で、駐トルコ・イスラエル大使は自らトルコ外務省に出向き、トルコ政府当局と面会、「トルコ政府がマフムード・アフマディーネジャード大統領を機微な時期に招待している」ことに遺憾の意を示し、イスラエル外務省側から送られた書簡をトルコ政府当局に手交した。

 同書簡には次のように記載されていた。「核問題をめぐる5+1グループとイラン政府の交渉が時期的に機微な状況の中続けられており、イラン政府は依然としてヨーロッパ側の包括的な見返り提案に対して明確な返答を控えている。このような中いかなる理由があって、マフムード・アフマディーネジャード大統領を招待するのか。しかも同大統領はいまだ、イスラエルの消滅を唱える発言を行っているというのに」。

 イスラエル政府は書簡の中で、自国はトルコの同盟国であり、かつ緊密な友好国であると指摘した上で、「マフムード・アフマディーネジャード大統領のトルコ訪問は、我々の精神的不安を掻き立てている」と付け加えた。

 また同書簡では、「マフムード・アフマディーネジャード大統領がトルコをはじめとする世界の各国を訪問することは、イラン政府に核問題で時間稼ぎをする機会を与えることを意味する」とも述べられている。

 イスラエルのダン・ギレルマン(Dan Gillerman)国連大使もまた、自らの任期終了を直前に控えたニューヨーク勤務の最終日に、間もなく予定されているアフマディーネジャード大統領の国連総会への出席を禁止するよう国連に対し要請した。同国連大使はアメリカに対しても、アフマディーネジャード大統領に入国ビザを発行しないよう求めた。

 ファールス通信は、トルコ発行の「ザマン」紙の記事を引用しつつ、「イスラエル側は今回の出来事を公式な抗議であると言及しているが、これまでのところ公式な書面で通達されたわけではなく、面会では建設的な形で意見交換が行われたとされている」と報道した。

 トルコ語紙「ヴァタン」も最新の記事の中で、トルコ政府はアフマディーネジャード大統領のトルコ訪問に対するアメリカ側の抗議を強く拒否したと記しつつ、「トルコは〔アフマディーネジャード・〕イラン大統領が訪問する初めてのNATO加盟国であるとして、ここ数日間米当局は同国を批判しているが、トルコ政府はこの批判に対し、同国は最新の情勢に対して沈黙を貫いているデンマークのような国ではないと反論した」と報じている。

 イラン大統領がケマル・アタテュルク廟の訪問、及び同墓への献花を拒否したことも、目前に控えたアフマディーネジャード大統領のトルコ訪問をめぐって話題を呼んでおり、トルコの世俗主義者らの怒りを買っている。彼らはこのこととの関連で、マフムード・アフマディーネジャード大統領のトルコ訪問をキャンセルするよう求め、トルコ外相への批判を強めている。

 トルコ情報筋の多くは、アフマディーネジャード大統領がトルコの首都アンカラを訪問しないのはアタテュルク廟への訪問問題にその理由があると考えているが、しかしトルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は同時期イスタンブルにおり、イラン大統領はギュル大統領と会談を行うために、〔アンカラではなく〕イスタンブルを訪問する〔というのが公式の見解となっている〕。

 これより前、トルコのアリ・ババジャン外相は、「アフマディーネジャード大統領がケマル・アタテュルクへの表敬を控えることは、それ程大きな問題ではない」と述べていた。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:14485 )