Fikret Bila コラム:公正発展党の信用問題
2008年08月23日付 Milliyet 紙

憲法裁判所は、公正発展党(AKP)が世俗主義に反する活動の中心であるという訴えを、1票対10票で[否決する]判決を下した。同党を解党せず、国庫からの政党助成金を一定の割合で削減する決定をした。
高等裁判所のこの判決からさほど経たないうちに、政府と公正発展党のスポークスマンたちは新憲法プロジェクトを再び口にし始めた。公正発展党は新憲法を通すことに執着しているようだ。つまり次の会期に、公正発展党の新憲法プロジェクトが再度、トルコの議事項目になるのだろう。

■信頼性の問題
憲法問題について、公正発展党の試験の結果は良くなかった。
彼らは「新憲法」プロジェクトを、トルコの協議事項に持ち込んだ。エルグン・オズブドゥン教授を長とする委員会に新憲法の草案を準備させた。この草案は世論に提示され議論された。世論は草案を時に支持し、時に支持しなかった。オズブドゥン教授の草案を、公正発展党の政策委員会が検討し、加筆、削除、訂正を行ったが、「これは公正発展党の新憲法草案です」と言って、正式に世論に提示しなかった。

その代りに突然の画策により新憲法草案をふちに追いやり、大学におけるイスラーム風スカーフ解禁だけのために、2つの憲法条項の改正を行った。アブドゥッラー・ギュル大統領も改正を承認した。

この突然の画策は、公正発展党そのものについて、信頼性の問題を生み出した。単にイスラーム風スカーフ解禁のために2条項の改正を行うことは、公正発展党の本当の目的が新たな憲法ではなく、イスラーム風スカーフの解禁であったという見方が広まった。
憲法裁判所は問題の二つの条項改正を無効とした。そして公正発展党のこの試みは結果を得ずに終った。
公正発展党は今、また「新憲法」の話をしている。
当然、同じ疑問が議題になるのだろう。
公正発展党の新憲法の目的は何であろうか?単に自党の政治信条に障害である憲法の諸規定を撤廃すること、あるいは改訂することであろうか?もしくは真に新しく現代的な憲法を作成することだろうか?
この点で世論がもつ疑念は続くだろう。疑念の根源は、公正発展党がこれまでの間に示してきた様々な画策であり、この行動スタイルが公正発展党解党のとば口まで追いやった展開において重要な部分を占めていたことは否定しえない。

■優先事項
新憲法が新たに協議事項に差し込まれる一方、公正発展党のスポークスマンたちの発言から、優先事項が政党の解党に関する条項になるだろうことが見て取れる。 解党を困難にすることが公正発展党の第一の目標と見られている。この可能性は憲法裁判所が判決を公表する前から議題に取り上げられていたが、公正発展党はこれを実行しなかった。
裁判所が公正発展党に解党の刑罰を下さなかったので、今回は政党の解党を困難にする変更に向かうだろうと見られている。
この優先順位は、再度、同じような議論を生じさせるだろう。
公正発展党は、新たな憲法を制定することを目標としているのか、あるいは解党の可能性を完全に排除することを目標としているのだろうか?
この問いの源は公正発展党が辿ってきた政策にある。公正発展党は直面したすべての問題を憲法改正で乗り越えようとしている。
このことも、公正発展党が諸政党に支持される調整に基づき、社会のあらゆる層の見解や提案に開かれた政策を実行したというよりはむしろ、自党の存在と政治的目標の観点から障害と見る法規定を変更することを目的としていると思わせるのである。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:14561 )