Fikret Bilaコラム:バフチェリMHP党首が提案したロードマップ
2008年08月27日付 Milliyet 紙

民族主義者行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首は、先の会期中、これまでとは違う野党としての見識を披露した。
この見識は、「妨害ではなく、協力する野党」と定義することができる。少なくともバフチェリ党首はそう考えている。

バフチェリ党首は、トルコ大国民議会の行き詰まりを防ぎ、「問題山積で行き詰った」とされる分野においても、公正発展党の前途を開く二つの重要な貢献をした。

1. 議会における367票問題を克服し、アフドゥッラフ・ギュル大統領選出を後押しした。
2. 大学でのスカーフ解禁のための憲法改正を支持し、国民投票抜きで法制化することを保障した。

■ 与党と野党、両方からの批判
トルコ大国民議会を機能させ、国民投票なしでの憲法改正を後押ししたバフチェリ党首のこの姿勢は、与党・公正発展党と最大野党・共和人民党から批判を受けた。
共和人民党はこう批判した。[民族主義者行動党が]大統領選挙において公正発展党を支持したことで、与党・公正発展党に「調整」させることなくギュル大統領を選出させた、と。
公正発展党議員の一部は、スカーフ関連の憲法改正を足掛かりに公正発展党を罠にかけ、解党請求裁判の開始を助長したという批判を向けた。
バフチェリ党首は、政治組織の行き詰まりを防ぎ、解決法を生み出す野党、という見識に基づいて行動したものと強調し、いずれの批判も受け入れなかった。

■新しいロードマップ
バフチェリ党首は、昨日(26日)の記者会見で新しい提案をした。民族主義者行動党が自らのロードマップを発表する一方で、再び、公正発展党にも進むべき道を示したことになる。
バフチェリ党首が次の会期でとる道は、次のように要約できる。

■スカーフ問題
バフチェリ党首は、大学でのスカーフ解禁に賛成している。憲法裁判所がこの解禁に向けた憲法改正を無効としたことを、立法権への介入と見ている。これに対するバフチェリ党首の提案は、憲法裁判所の職務と効力を定める憲法148条と153条の改正である。公正発展党の解党請求裁判の際、この試みが行われるという噂はあったが、実現しなかった。バフチェリ党首は、その時と変わらず現在も公正発展党に再度、これを提案しているのである。ここから導かれる結論は、憲法裁判所の職務と効力を変更し、大学でのスカーフ解禁に関する憲法改正を実現する際に、民族主義者行動党が公正発展党を助けるということである。

■解党問題
バフチェリ党首は、憲法にある解党に関する条項についても、調整がなされれば変更について公正発展党を支持する準備はできている。
彼はこの問題について、二つの基準を示している。
ひとつ目は、解党ではなく、解党をもたらした政治家に個人的に責任を負わせて党の閉鎖はしないことである。ふたつ目は民主市民党、または今後設立されるこれと類似する政党がこの範ちゅうの外に置かれることである。
バフチェリ党首は、テロを支持し、国家を分裂させる活動をしていると確認された政党については、解党という罰則が保持される必要があると主張している。

■世俗主義問題
バフチェリ党首は、大学でのスカーフ解禁が世俗主義の原則に反しているとは見ていない。同党首は、昨日の記者会見で、世俗主義の原則についても次のことを強調した。憲法裁判所は1対10という評決を出し、公正発展党が世俗主義に反する活動の中心となっているという理由で罰(政党助成金カット)を科した、とバフチェリ党首は指摘した。この結審により公正発展党は「政治的な力量と正当性」に汚点を残すことになり、こういった状態は与党にとって普通のことではなく、継続可能な状態ではないことを強調した。
この見解は、公正発展党がそれほど楽観視できる立場にはないことと、民族主義者行動党の提案に耳を貸す必要があるというメッセージだった。
バフチェリ党首は、昨日の記者会見で、先の会期と同様に、次の会期でも、政治において、そして公正発展党がとる意思決定においても影響力を及ぼす可能性があることを示した。
同党首の政策が民族主義者行動党や政治基盤に有害であるなどとは言えない。むしろその反対で、注目に値することであると言えるだろう。

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( 翻訳者:山下王世 )
( 記事ID:14584 )